...磨(と)ぎ澄ました肉屋の庖丁(ほうちょう)にさえ動悸(どうき)の高まる少年だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...心臓の鼓動の高まるのを感ずるやいなや...
有島武郎 「星座」
...温度が高まるに従つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...路は高まるともなく高まりて...
大町桂月 「赤城山」
...そうして評判は広告と宣伝によって高まるとすれば...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...その仕事の本国における価値が急に高まるのである...
寺田寅彦 「鑢屑」
...政変ごとに高まる予算乃至軍事予算はこれを物語って余りあるだろう...
戸坂潤 「一九三七年を送る日本」
...その襲撃とその新しいマルセイエーズのしだいに高まる叫び声とが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...日本的なものの一種の象徴の域にまで高まるものを持っているし...
豊島与志雄 「風俗時評」
...その三千騎のしだいに高まる響きを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...強く高まるクレッサンドの調子凄(すさま)じく...
永井荷風 「監獄署の裏」
...寸法の大きさに依つて賃金の高まる橇の連中の間では絶大な好評を拍され...
牧野信一 「山を降る一隊」
...日ましに高まるばかりだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...後(のち)韋紐の名望高まるに及び全く帝釈と分離対抗し風神猴となって韋紐に従う(グベルナチス『動物譚原』二巻九九頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...後悔の念が高まるばかりで...
夢野久作 「衝突心理」
...労働者が賃金を増加してもらっても物価がそれを追い越して高まるうえに...
横光利一 「旅愁」
...武蔵の名声が高まるにつれて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...祭司の権威の高まることはさまざまの「まがつみ」を排除して民衆の福祉を増進することである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索