...この部分では物質の密度を増すためにその温度が高まり...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...次から次へと移りながら、消えてゆく音(おん)を捉へると同様に、散りゆく香気の翅を捉へて動きゆく、重なりゆく、高まりゆく、流れゆく幻想の画像をゑがくのだ...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...このこといかに成り行かん?血氣の子らの喊聲は舟のかたへに高まりぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...吐く息につれて高まり...
豊島与志雄 「オランウータン」
...反乱も貴(とうと)い義務とまで高まりゆく場合がないであろうか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ああまた引き去り高まり來る情慾の浪...
萩原朔太郎 「宿命」
...海全体が動くかと思うような異様な高まりを見せて大きくうねりはじめた...
久生十蘭 「ノア」
...高まりつつあるかを感じました...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...感情の高まりは隠せないはずだが」「そうかい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...人間は生成の過程に於て彼が理念上あるところのもの即ち自由の絶えず高まりゆく意識に到達する...
三木清 「歴史哲學」
...一夜俄に風荒れてすさまじく浪の高まりしが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...高まり伸び達しようとする翹望は...
宮本百合子 「現代の主題」
...遠い潮の音のように起り高まり...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ちいさい乳房や鳩胸のさびしい高まり...
室生犀星 「香爐を盗む」
...厚い石壁が忽(たちま)ち聳え、歌者(かしゃ)の座に朝日がさし込み、段々建て添えられる寺院が十字形に広がり、信者のいる中の間(ま)が延び、高まり、歓喜する信者の群が、11010熱心に立派な門から籠み入って、天に聳立つ塔の上から、鳴り響く第一の鐘の音が、山にも谷にも聞え渡り、再造の恩が受けたさに、懺悔(ざんげ)の民が寄って来るのが、もう心に浮んで来る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それは享楽によってますます高まり増すのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...よじれるように高まり...
山本周五郎 「薊」
...怒濤のような棉の高まりが機械を噛んで慄えていた...
横光利一 「上海」
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