...しかし保吉に芸術のないのは驢馬(ろば)に草のないのも同然である...
芥川龍之介 「十円札」
...今あなたが云つたやうな驢馬の耳のやうな花を見たんださうです...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...驢馬ともなりては...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...驢馬は市場を後に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」三頭の驢馬7・26サンデー毎日生意気盛りの学生といふものは...
薄田泣菫 「茶話」
...かくしてあの人は宮に入り、驢馬から降りて、何思ったか、縄を拾い之(これ)を振りまわし、宮の境内の、両替する者の台やら、鳩売る者の腰掛けやらを打ち倒し、また、売り物に出ている牛、羊をも、その縄の鞭(むち)でもって全部、宮から追い出して、境内にいる大勢の商人たちに向い、「おまえたち、みな出て失せろ、私の父の家を、商いの家にしてはならぬ」と甲高(かんだか)い声で怒鳴るのでした...
太宰治 「駈込み訴え」
...新調のその船の名は、細胞文芸、井伏鱒二、林房雄、久野豊彦、崎山兄弟、舟橋聖一、藤田郁義、井上幸次郎、その他数氏、未(いま)だほとんど無名にして、それぞれ、辻馬車、鷲の巣、十字街、青空、驢馬(ろば)、等々の同人雑誌の選手なりしを手紙で頼んで、小説の原稿もらい、地方に於ては堂々の文芸雑誌、表紙三度刷、百頁近きもの、六百部刷って創刊号、三十部くらい売れたであろうか...
太宰治 「喝采」
...その驢馬を叩き叩き裏口の方へ通じた扉を開けて外へ追い出して往った...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...あゝ私(わたし)の驢馬だ...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...」「鵞鳥にしろ、驢馬にしろ、ヨーロッパでは、おばかさんという意味にも使われるんでしょう...
豊島与志雄 「自由人」
...そして彼が驢馬からおりるのを憤慨したような目つきでながめた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ついうっかり驢馬をふやすことを忘れてしまった...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...花嫁、葡萄園、驢馬、工人、――彼の教へは目のあたりにあるものを一度も利用せずにすましたことはない...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...とうとう「驢馬」といふのに決つた...
堀辰雄 「二人の友」
...みんなで「驢馬」といふ詩の雜誌をやつてゐた頃で...
堀辰雄 「二人の友」
...驢馬(ろば)やら...
森鴎外 「鼠坂」
...彼等は輕裝歩兵(ズアープ)と驢馬とを乘せるために...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...驢馬はふっと薊(あざみ)の葉を嗅(か)いでみたり...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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