...驢馬と牡牛との間に生れむとする幼な児の足下に至らしめむ...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...しかし一匹の鰐を救ふよりも一匹の驢馬を救ふことに全力を尽すのに不思議はない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...驢馬は横に一列をつくった...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...驢馬から下りて野なかの柳の蔭で憩(いこ)っていたことがあります...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」三頭の驢馬7・26サンデー毎日生意気盛りの学生といふものは...
薄田泣菫 「茶話」
...驢馬がなくなって三娘子が姿を現わした...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...驢馬の長い耳に日がさして...
田山花袋 「一兵卒」
...「驢馬先生、おまえのこのひと言は金貨一枚だけの値打ちがあるぞ、ほんとに今日おまえにくれてやるわい、だが、そのほかのことは嘘だぞ、まっかな嘘だぞ、なあこら、おばかさん、われわれ一同がこの世で信仰を持たないのは心があさはかなからだ、なにしろ、暇がないからなあ、第一、いろんな用事にかまけてしまう、第二に神様が時間をろくろく授けてくださらないで、せいぜい一日が二十四時間やそこいらでは、悔い改めるはさておき、十分に眠る暇もないからなあ、ところが、おまえが敵の前で神様を否定したのは、信仰のことよりほかには考えられないような場合で、しかも是が非でも自分の信仰心を示さなくっちゃならないような土壇場(どたんば)じゃないかい! おいどうだ、きょうだい、一理あるだろうじゃないか?」「一理あるにはありますがね、まあ、よく考えて御覧なさい、グリゴリイ・ワシーリエヴィッチ、一理あればこそ、なおのこと、わたしにとって罪が軽くなるというものです、もしわたしが間違いのない正当な信仰を持っていたとしたら、その信仰のための受難に甘んじないで、けがらわしい回々教(フイフイきょう)へ転んだのは、全く罪深いことに違いありませんよ、しかし、それにしても、責め苦を受けるというところまではいかないで済んだはずですよ、だって、その時、眼の前の山に向かって、さあ動いて来て敵をつぶしてしまえと言いさえすれば、山は即刻動きだして、敵のやつらを油虫かなんぞのように押しつぶしてしまったはずです、そうすれば、わたしは何ごともなかったように、鼻うたでもうたいながら、神の栄光をたたえながら引き上げて行きますよ、ところが、もしその土壇場になって、そのとおりにやってみて、わたしがその山に向かって敵を押しつぶしてくれと、わざと大きな声でどなったところで、山がいっこう敵を押しつぶしてくれそうにないとしたら、わたしだってそんな恐ろしい命がけの場合に、どうして疑いを起こさずにいられるものですか? それでなくても、とても天国へなどまともに行きつけるものでないことを承知していますのに(だって、わたしの声で山が動かなかったところをみると、天国でもわたしの信仰をあまり信用してくれなさそうですから、たいした御褒美(ごほうび)があの世でわたしを待っているようにも思われませんからね)、何をすき好んで、そのうえ、役にも立たないのに自分の生皮を剥(は)がせる必要がありましょう? たとえ、もう半分背中の皮を剥がれながらわたしがどなったりわめいたりしてみたところで、山はびくともしやしませんからね、こんな瞬間には疑いが起こるくらいは愚かなこと、恐ろしさのあまりに、思慮分別もなくなるかもしれません、いや、分別を巡らすなんてことは全然不可能です、してみれば、この世でもあの世でも、自分に何の得になることでもなく、たいして御褒美にもあずかれないとわかったら、せめて自分の皮だけでも大事にしようと思ったからとて、それがいったいどれだけ悪いことでしょう? ですから、わたしは神様のお慈悲を当てにして、何事もきれいに許していただけるものと、どこまでもそう思っているのです」八 コニャクを飲みながら討論はこれで終わったが、奇態なことに、あれほど上々の御機嫌であったフョードル・パーヴロヴィッチが、終わりごろから急に苦い顔をしだした...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...長年曳きつれてゐた一頭の驢馬は...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...驢馬をそこにつないで...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...驢馬をお飼い遊ばしてはいかがでございますか...
豊島与志雄 「自由人」
...」「鵞鳥にしろ、驢馬にしろ、ヨーロッパでは、おばかさんという意味にも使われるんでしょう...
豊島与志雄 「自由人」
...ミダス王の驢馬の耳の話のところです...
豊島与志雄 「白い朝」
...そして彼が驢馬からおりるのを憤慨したような目つきでながめた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...行くがいい 既に門出の時である 行け太陽のもと 喧噪のさなかに 行け 風塵霜露の衢々に行つて お前の運命を試みるべき時である 行け片意地な兜蟲 か弱い仔雀 跛この驢馬 憐れなるわが詩(うた)の一卷...
三好達治 「山果集に寄す」
...それはいつもアイソポスの驢馬(ろば)を思わせる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...麓に目隠しをされた驢馬が石臼を繞つて高粱を粉にしてゐる家がある...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...驢馬は勝手に好きなものを食う...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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