...市は路車や搬夫や驢馬や驢馬追ひで埋められてゐるのである...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...僕の愛する蒹葭堂主人はこの寂寞たる春山に唯一人驢馬を歩ませて行つた...
芥川龍之介 「僻見」
...――なに、驢馬さ...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...驢(ろ)……」阿Qは今まで肚の中で罵るだけで口へ出して言ったことはなかったが...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...驢馬は大きく欠伸(あくび)する...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...この老いぼれた驢馬に跨(またが)り...
太宰治 「駈込み訴え」
...」驢の上の女郎はこの言葉を聞いて...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿霞」
...少年は驢(ろば)に乗って幕を垂れた車の後から往っていたが...
田中貢太郎 「黄英」
...ところがあの驢馬め...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...その代りに驢馬を使った方がいゝと思う...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...驢馬の尻尾(しっぽ)は水車のしぶきのように私の顔に降りかかった...
牧野信一 「ゼーロン」
...八種もある馬属中馬と驢のみ測るべからざる昔より人に豢(か)われてその用を足した事これ厚きに...
南方熊楠 「十二支考」
...今もパレスチナのアラブ人が多く騾を畜(か)いながら馬驢を交わらしめてこれを作らず...
南方熊楠 「十二支考」
...これは海驢、海馬などいう名が支那にも欧州にもあるごとく、遠見あたかも馬様に見える海獣(例せばセイウチ)の脚が鰭状(ひれじょう)を成して後ろを向きいるから言い出たであろうが、妖鬼の足が後ろ向きという事諸国に一汎で、たとえば『大宝積経』十三に、「妖魅反足の物」、百九に、〈地獄衆生、その足反りて後ろに向く〉、『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』の戯曲(じょうるり)に、熊野詣りの亡者あるいは逆立ち後ろ向き、これは今もこの辺で言う...
南方熊楠 「十二支考」
...馬や驢馬や鵞鳥がなくごとに...
武者金吉 「地震なまず」
...それはいつもアイソポスの驢馬(ろば)を思わせる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「待てッ」驢(ろ)にのった精悍(せいかん)な影は...
吉川英治 「三国志」
...こいつを」驢車から蹴落すとともに...
吉川英治 「三国志」
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