...鴉は恰かも孔雀の様に飛翔し鱗を無秩序に閃かせる半個の天体に金剛石と毫も変りなく平民的輪郭を日没前に贋せて驕ることはなく所有しているのである...
李箱 「LE URINE」
...二相はあたかも福原の栄華に驕る平家の如くに咀(のろ)われた...
内田魯庵 「四十年前」
...驕る平家の行末を浮べる雲と頼みなく...
高山樗牛 「瀧口入道」
...△貪る心(殊に酒に対して)驕る心(殊に自分に対して)が弱くなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...而も驕ることなく...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...驕るにはあらず寧(むし)ろ天真流露...
中里介山 「大菩薩峠」
...この窮境に在ってなお驕るなきがために楽をなすとや? しかし...
中島敦 「弟子」
...驕る眼を眠(ねむ)った藤尾の眉(まゆ)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...驕るかにも見える寛濶な表情をしていた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...獅子の猛なるとは 春短し何に不滅の命ぞと力ある乳を手に探らせぬ であり 我を問ふや自ら驕る名を誇る二十四時を人をし恋ふる であり かざしたる牡丹火となり海燃えぬ思ひ乱るゝ人の子の夢 である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
......
牧野信一 「蝉」
...彼はこの場合におけるより外に人に向つて驕るべき場合を持たざるなり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...驕るもの必ずしも亡びず...
吉川英治 「随筆 新平家」
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