...日一日とその日本軍の豫想以上なる成功を以て世界を駭かしてゐた...
石川啄木 「トルストイ翁論文」
...博士の様子がお違いになっているのに駭(おどろ)いた...
海野十三 「キド効果」
...なるほど」刑事は駭(おどろ)きの声を放った...
海野十三 「疑問の金塊」
...何に駭(おどろ)いたのか...
海野十三 「空襲葬送曲」
...そうなっているネ」と私はいよいよ友人の炯眼(けいがん)に駭(おどろ)かされた...
海野十三 「地獄街道」
...あの女が喰べた?……」「そうだ」と帆村は首領の駭(おどろ)くのを尻目(しりめ)にかけて喋りつづけた...
海野十三 「流線間諜」
...古縄(ふるなは)を蛇(へび)とし駭(おど)せば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...嘉七は驚駭(きょうがく)した...
太宰治 「姥捨」
...法院ではひどく駭(おどろ)いて...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「成仙」
...「浮雲(うきぐも)」は何たる驚駭(おどろき)であったろう...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...事の意表に出でたるに錯駭して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「あら兄さんが!」そう云った妹の声に彼は駭然とした...
豊島与志雄 「恩人」
...長谷川は飛び上るほど駭然とした...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...駭然として不安の念に襲われた...
豊島与志雄 「二つの途」
...妻は震駭(しんがい)のあとの発熱を怖れるように愁(うれ)い沈んでいた...
原民喜 「冬日記」
...あたりは轟々たる水音に震駭されて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...こんなに驚駭の世界がまるで眼の前にあつたこの氣附を始めて知つたといふ...
室生犀星 「帆の世界」
...この故にこの千古不滅の探偵本能を、科学が生むところの社会機構に働きかけさせ、この無良心無恥な、唯物功利道徳が生むところの社会悪に向って潜入させ、その怪奇美、醜悪美を掲出し、そのグロ味、エロ味の変態美を凄動させ、その結論として、その最深部に潜在する良心、純情をドン底まで戦慄させ、驚駭させ、失神させなければ満足しない芸術を探偵小説と名付けられる事になったのである...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
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