...二十間も駈けると...
石川啄木 「二筋の血」
...奈々子が後になつて三人が手を振つて駈ける後姿が目にとまつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...雪の中を駈ける時足にはくと...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...自分と一緒に駈けるだけの力のないものをば容赦もなく振棄(ふりす)ててずんずん変転してゆく...
大隈重信 「我輩の智識吸収法」
...「駈ける(ランニング)...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...表の通りでは砂利をかんで勢いよく駈ける人車(じんしゃ)の矢声(やごえ)も聞える...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...往来の人が怖々(こわごわ)と橋の左側の方ばかりを小さくなって駈けるようにして通るから...
中里介山 「大菩薩峠」
...平地を駈けるが如く飛んで行く旅人体(りょじんてい)の男を見るのみであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...八兄哥」と追つ駈けるやうに清吉...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...川添いの街角をまがった彼らは半分駈けるようにして役所に急いだ...
本庄陸男 「石狩川」
...すべて鎧は、その大きさで、草摺りは私の脛の半ば下まで垂れ、袖は腰を覆ふまでに深く蝙蝠の翼の如きであつたから、胴の中で私は外皮の鎧を動かすことなく、自由な身動きをすることも出来る程――それ程、その鎧兜は小男の私には不適当なものであつたから、「これは失敗つたぞ――飛んでもないところへ出てしまつたのだ!」と、私は気づいて、慌てゝ駈け戻らうとしたが、駈けるどころか、兜の両端を盥を被つたやうに両手でささへたり、スキーを穿いた脚のやうに毛靴の足どりを気遣つたりしながら、辛うじてよた/\と、がに股の醜態で歩みを運ぶより他は手もなかつた...
牧野信一 「鬼の門」
...どうしても青くならない歌劇の目三太郎琵琶芸者田谷力三を追駈ける桂雨腰に手を当てて歌劇の嬉しさう雲雀浮浪罪歌劇のプロを持つたまゝ天涯子オペラについては已に詳しく語り過ぎた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...殆(ほとんど)鳥の飛ぶやうに駈けることが出来る...
森鴎外 「大塩平八郎」
...膝をもって駈けるように追いすがり...
吉川英治 「新書太閤記」
...――が、駈けるには、具足は重く邪魔にもなるので、しまいには、それをも脱いで小者に担(かつ)がせ、ただ白地に朱(しゅ)蛇(じゃ)の目(め)の陣羽織一枚となって、韋駄天(いだてん)のごとく走り、いつかまた秀吉の側に追いついていたという...
吉川英治 「新書太閤記」
...ヒラリと返して横へ駈けるや...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...人なき所までで」「駈けるぞ」「結構です」「行こう...
吉川英治 「源頼朝」
...武蔵は駈けるように歩いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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