...芭蕉の「調べ」を駆使するのに大自在を極めてゐたことには呆気(あつけ)にとられてしまふ外はない...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...現に古来の豪傑も家畜に似た我々を駆使する為には屡々仮面を用ひたやうである...
芥川龍之介 「僻見」
...自然を駆使することができるのではないかという空想さえいだかせられる恐れがある...
寺田寅彦 「感覚と科学」
...それを駆使する目に見えぬ魂の力によって初めて現わし得た偉大な効果に対する感嘆の念は...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...之を統一的に包括的に駆使する本当に一般的な科学の方法として...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...少なくとも諸文化が発達して充分に足が地面につくようになり、更に之に平行して、之を踏みこなし、之に注文をつけ、之を駆使する、だけの社会常識の原則が確立しなければ、批評というものは盛んにならない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...哲学的範疇を文学的表象によって駆使するのであって...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...尚ほ能く時代の精神を駆使する人物なきに非ざれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...私はフィルムが色彩を駆使するにあたって...
中井正一 「色彩映画のシナリオ」
...縦横に駆使する離れ業(わざ)を...
中里介山 「大菩薩峠」
...その超人的な技巧を駆使するために...
野村胡堂 「楽聖物語」
...それらの道具を駆使する感興というような末梢から遙にぬきんでている...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
...縦横に文字を駆使する法力を身につければ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...南蛮国には豺狼虎豹(さいろうこひょう)を駆使する陣法ありと見えたが...
吉川英治 「三国志」
...おびただしく持ち味の漢学を駆使するので総じてごついという感によくつきあたる...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...三千の兵馬はいつでも自由に駆使する力があるという...
吉川英治 「平の将門」
...その駆使する兵馬の迅(はや)さ...
吉川英治 「平の将門」
...あるいは民衆をおのが私用のために駆使するというごとき利己主義的な特権を...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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