...荒れた駅路(うまやじ)の夜の孤旅(ひとりたび)が思出される...
泉鏡花 「婦系図」
...さようにこの土地はずいぶん古い駅路なのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...おみちすじまでが此のまえとおなじ駅路(えきじ)をたどってせきがはらより江北の地へおはいりなされ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...今以て何処(どこ)となく駅路の臭味(しゅうみ)が去りやらぬような心持がする...
永井荷風 「日和下駄」
...電車自転車のベルの音(ね)をば駅路の鈴に見立てたくなるのも満更(まんざら)無理ではあるまい...
永井荷風 「日和下駄」
...浜の小砂利の数ほど打てどそもじ見たさに竹で目を衝いたびんびん棉打て畑の茨にとろとろ日が照る山越唄おらも十六七八は同じ問屋の駅路になんぼ恥かしのう殿ご花のやうだと褒られた殿の姿は駅路のそんじさごろも花だわいちらりちらりもめづらしき笠に霙(みぞれ)が降つて来た山は時雨(しぐれ)だのう殿ご萱(かや)の枯穂が動くわい今朝(けさ)も田甫(たんぼ)の田の中に鴨が三疋鳴いてゐた...
野口雨情 「野口雨情民謡叢書 第一篇」
...駅路(うまやじ)の物音に眼を覚した半十郎...
野村胡堂 「江戸の火術」
...誰も歩く命の駅路(うまやじ)を其方(そち)も歩いて来たのじゃ...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...自動車や機関車が文明の煙りを挙げて往き交ふてゐる繁華な駅路へ向つて...
牧野信一 「剥製」
...こうした長々しい駅路の情景を語って興味を催しえたのは...
柳田国男 「雪国の春」
...駅路(うまやじ)に着いても...
吉川英治 「私本太平記」
...「おう御本軍だ」「御宗家の殿だ」駅路(うまやじ)の口は...
吉川英治 「私本太平記」
...遠いむかしは大枝山(おおえやま)から生野(いくの)を経て裏日本へ出る駅路(うまやじ)のあった跡だという...
吉川英治 「新書太閤記」
...駅路(うまやじ)に隣接しているので...
吉川英治 「新・水滸伝」
...だが、春はようやく日も遅々(ちち)として、駅路山村、どこでも怪しむ者などなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...駅路(うまやじ)の馬はいななくし...
吉川英治 「親鸞」
...勅使の一行が通ってきた北国の駅路(うまやじ)には...
吉川英治 「親鸞」
...通る駅路で訊いてみても...
吉川英治 「平の将門」
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