...馴れるに従って、どうやら、苦痛、怒、失望その他の情をあらわす声の助演の理由が判って来るが、それを記述することは、とても出来ない...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...弱者を虐遇することに馴れると同時に...
大杉栄 「奴隷根性論」
...漸く馴れるに随って信一の我が儘は益つのり...
谷崎潤一郎 「少年」
...私は義歯にも徐徐に馴れる...
外村繁 「澪標」
...ふたたびドイツに住み馴れることは困難だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...馴れると、これが飛んだ可愛らしいもので、へツ/\」「さうだらう、こんな生物を可愛がる人は、矢張り佛性(ほとけしやう)なんだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...馴れると、これがとんだ可愛らしいもので、へッへッ」「そうだろう、こんな生き物を可愛がる人は、やっぱり仏性(ほとけしょう)なんだよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...学校に馴れると、子供達は、寄ってたかって私の事を「オイチニイの新馬鹿大将の娘じゃ」と、云った...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...愛されることのうれしさと甘やかされる安易さに馴れることの混同...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鵠の王は馴れるようだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...馴れるに任せて羽衣を匿(かく)したことを打明けたところが天人は早速その羽衣を捜(さが)し出して...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それに馴れるためもあって...
山本周五郎 「いさましい話」
...運転が馴れるのに随って車はかなり自由に操縦することが出来た...
横光利一 「旅愁」
...全身をくるむ音響にはすぐ馴れるものである...
吉川英治 「折々の記」
...「ここも悪くない」羅刹谷の宿所にも馴れ、馴れるがままに、ときには高氏もこう呟(つぶや)く...
吉川英治 「私本太平記」
...やはり雀は馴らせばどんなにでも馴れるものとあったので安心した...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...「しばらく、お待ちを……」と、巌流は、なお他念なく、「掌(て)の上の餌だけ、喰べさせてしまいますから」「御拝領の鷹じゃの」「されば、去年の秋、お鷹野のみぎりに、お手ずから戴きました天弓(あまゆみ)と名づくる鷹で、馴れるにつれ、可愛いものでなあ」掌に残された餌を捨て、朱房の紐(ひも)を手繰(たぐ)りかえして、「辰之助(たつのすけ)、鷹小屋へ入れておけ」と、うしろにいる年少の門人を顧みて、拳から拳へ、鷹を渡した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...段々眼の馴れるに従って...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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