...常に緊張してゐる看守達の顏ばかり見てゐるわたし達の眼に映る社會の男の面が如何にも馬鹿面に見えたのは自然なのでありませう...
石川三四郎 「浪」
...馬鹿面(ばかめん)を被って踊ることでさえも...
中里介山 「大菩薩峠」
...自ら馬鹿面踊(ばかめんおど)りの模範を示そうというところでありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...米專(こめせん)の店に飾れる馬鹿面の人形(にんぎやう)に我が似しと思ふ悲しさ...
萩原朔太郎 「短歌」
...馬鹿面を見てても始らねえ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...馬鹿面を!」とプリューシキンはプローシカの顔を指しながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...素晴しい合戦の間を馬鹿面を被つた小さな坊主が踊り出した...
牧野信一 「蚊」
...生憎馬鹿面がたつた一枚しか残つてゐないので...
牧野信一 「蚊」
...玄坊が棄てゝ行つた馬鹿面が落ちて居た...
牧野信一 「蚊」
...お前が馬鹿面をして折角の運動を見物なんてしてゐるんで腹がたつて仕方がなかつたんだ...
牧野信一 「海棠の家」
...自分の馬鹿面が写つて噴き出してしまふだらう...
牧野信一 「鏡地獄」
...たつたひとり馬鹿面(めん)をかぶつた小さな児がヒヨロ/\と出て来ました...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...軍人の中に馬鹿面をかぶつた少(ちひ)さな児が出て来たので――見物人の視線は一様にその方にそゝがれました...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...馬鹿面をかむつた儘お面の表を片手でおさへてワーワーと泣きました...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...馬鹿面はやはりキヨトンとしてゐるではありませんか...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...私は秀ちやんの顔を見たら馬鹿面なので...
牧野信一 「泣き笑ひ」
...貧乏臭い馬鹿面を見せる練習をしてるようなものかもしれないな...
横光利一 「旅愁」
...なにを馬鹿面(づら)して見ていたんだ」「そう馬鹿馬鹿と言いなさんなよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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