...父は香煙をすえて新聞を読んでいた...
...今の若者には香煙を吸う人は少ない...
...駅の近くでは香煙の匂いが漂っている...
...お土産に香煙を買って帰る人も多い...
...彼は煩いことがあると香煙をすえる癖がある...
...只簾を漏れて心細くも立迷ふ香煙一縷...
高山樗牛 「瀧口入道」
...しかし「霧不断の香をたく」というのは香煙に見立てた眼の感じで鼻の感じではあるまい...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...その香煙が静かに立ち昇った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...余倉皇(そうこう)として車を先生が白金(しろかね)の邸(てい)に走らするに一片の香煙既に寂寞として霊柩(れいきゅう)のほとりに漂へるのみ...
永井荷風 「書かでもの記」
...香煙もうもうとして...
野村胡堂 「胡堂百話」
...白磁の香爐から立ち上る香煙を聞いて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...或は堂宇を包んで怪しき香煙が棚引き...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...モヤモヤとした香煙の中に...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...一席のごとく黒気あり香煙のごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...たしかに十七八歳なる乙女の生胆なりとて、約束の黄金三枚を与へしのみかは、香煙、美酒、美肴に加ふるに又も天女の如き唐美人の数人を饗応(もてな)し与へぬ...
夢野久作 「白くれない」
...時恰(あたか)も正午に近く、香煙に飢ゑたる、わが心、何時(いつ)となく、くるめき弱らむとするにぞ、袂に忍ばせたる香煙の脂(あぶら)を少しづゝ爪に取りて噛みつゝ見物するに、異人たちは皆、何事か呪文の如き事を口ずさみ、交る/\天を傾(あふ)ぎて訴ふる様、波羅伊曾(はらいそ)の空に在(ま)しませる彼等の父の不思議なる救ひの手を待ち設くる体なり...
夢野久作 「白くれない」
...香煙縷々(るる)たる裡(うち)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...永代(えいたい)供養を捧げる富家(ふか)の信者が在住支那人中に多いと見えて何(いづ)れの堂にも朱蝋燭(らふそく)の明(あかり)と香煙とを絶たない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...香煙がにおっていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...途中で拾って蔦王(つたおう)に持たせてきた白骨は僧の手によって燈明や香煙のうちに安置され...
吉川英治 「私本太平記」
...儀式の供華(くげ)や香煙のさかんだったことはいうまでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...香煙を払った日である...
吉川英治 「新書太閤記」
...丁子(ちょうじ)の薫(かお)るに似た香煙も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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