...小僧は丼と香の物の皿とを予の前に併べた...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...そして香の物のにほひと燒きもろこしのにほひとが義雄の神經に同時に復活して來る...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ねがわくば一椀の粥に一片の香の物を賜われよ...
上村松園 「棲霞軒雑記」
...丼と惣菜や香の物を盛つた小皿に割箸を添へ...
永井荷風 「勲章」
...夫婦とも歯が悪いので香の物はたべない...
永井荷風 「春雨の夜」
...それから一週間ばかり香の物に箸(はし)を触れなかったが別段の験(げん)も見えなかったから近頃はまた食い出した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...お香の物で濟ませて飛出しましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...香の物も出せない女といわれても仕方がないのです...
羽仁もと子 「女中訓」
...味噌汁と御飯と香の物で朝食が終る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...而してその朝飯は味噌汁と香の物のほか...
正岡子規 「病牀六尺」
...世間では主人公独(ひと)りが料理屋へ往って無駄な贅沢をして妻君は家で香の物や茶漬で飯(めし)を食うという悪い風もあるが...
村井弦斎 「食道楽」
...香の物に茶まで出す...
森鴎外 「雁」
...香の物の新漬など非常に人望があるが...
柳田国男 「故郷七十年」
...それと香の物くらいでめしを喰(た)べるから...
山本周五郎 「青べか物語」
...香の物まであった...
山本周五郎 「花も刀も」
...香の物という膳で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...随って鰻屋の香の物は格別念入り...
山本笑月 「明治世相百話」
...土地々々の風味の出てゐるのはこの香の物が一番の樣に思ふがどうだらう...
若山牧水 「樹木とその葉」
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