...餓と疲勞と、路を失つたといふ失望とが、暗い壓迫を頭腦に加へて、一足毎に烈しくなる足の痛みが、ずきり、ずきり、鈍つた心を突く...
石川啄木 「散文詩」
...役所から昼飯を出してもらってくれ」「このまま帰ったところでどうせ餓死だ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ただ餓死か、凍え死か、自分で自分にそれを宣告するほかはない有様です...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...飢餓は竿や綱にぶら下っているみすぼらしい衣服の中に入って高い家々から突き出されていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...恩知らずの川村の畜生め!餓鬼(がき)時分からの恩をも忘れちまいやがって...
徳永直 「眼」
...一家みんな餓え死んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...「資本(もとで)の二兩(りやう)二分(ぶ)位(ぐれえ)でこんで餓鬼奴等(がきめら)までにや四五人(にん)も命(いのち)繋(つな)いで行(い)くのにや赤(あけ)え手拭(てねげ)でも被(かぶ)つてる樣(やう)な放心(うつかり)した料簡(れうけん)ぢや居(ゐ)らんねえかんな」彼(かれ)は復(ま)た爺(ぢい)さんの頭(あたま)へ手(て)を掛(か)けていつてついと行(い)つて畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...何千万という日本人を餓死させることは...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...今頬桁(ほおげた)叩きやがった餓鬼共ア...
羽志主水 「監獄部屋」
...その救ひの幻想はやがて僕に飢餓が迫つて来たとき...
原民喜 「鎮魂歌」
...このいやな餓鬼やあ――」柏原富次は右手に鞄を抱え...
本庄陸男 「白い壁」
...饑餓に面した明朗な野からより他に私には生れぬ...
牧野信一 「ゼーロン」
...餓(う)え求むる者に与え去らしめたというが如き...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...あられ降る飢餓(きが)の町のさまよいを――あの堺の抜け裏の雑鬧(ざっとう)を...
吉川英治 「大岡越前」
...餓鬼のごとく痩せてゆくのは...
吉川英治 「三国志」
...じぶんより年下の餓鬼(がき)に...
吉川英治 「神州天馬侠」
...自分の餓(う)えるのを忘れていたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ぼくの頭には飢餓の辻みたいな印象を今ものこしている...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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