...そして飾り気のない姿の可憐さと...
有島武郎 「フランセスの顔」
...ジユウルの胸は子供特有の飾り気のない歓びで一杯になつてゐました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...自然で飾り気(け)がなく...
岩野泡鳴 「猫八」
...例の飾り気ない調子でぶっきら棒な物の言い方をするのを横から聞いていると...
海野十三 「深夜の市長」
...他人ごとのやうにずばずば何でも話してしまふ喜作の飾り気のなさに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その飾り気のなさや無邪気な雅趣によって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...……なぜおれは年をとってしまったのだ? なぜおれの気持があの人に通じないのだ? あの飾り気たっぷりの言い回し...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...飾り気一点なきも樸訥(ぼくとつ)のさま気に入りてさま/″\話しなどするうち京都々々と呼ぶ車掌の声にあわたゞしく下りたるが群集の中にかくれたり...
寺田寅彦 「東上記」
...部屋は洗面台と数冊の書籍とをそなえた飾り気のない小さい室(へや)である...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...飾り気がなくって...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...飾り気なく能弁に話が出来た...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...」一層飾り気ない真心で彼女はインガに云った...
宮本百合子 「「インガ」」
...などと檀紙に飾り気もなく書いてあるのが美しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...飾り気がないままに譬(たと)えようもなく美しく見えました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...如何にも単純な飾り気のない性格に見える...
夢野久作 「オンチ」
...誰にもあり勝ちな飾り気の全く見えない――余りにも正直すぎるくらいな藤吉郎の淡々たる舌の音に...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼が縷々(るる)として話しだす事々には微塵(みじん)の飾り気も偽りもなかった...
吉川英治 「親鸞」
...またなく純(じゅん)で飾り気もない愛だったから――...
吉川英治 「日本名婦伝」
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