...自然で飾り気(け)がなく...
岩野泡鳴 「猫八」
...彼は中学校で同級だったときのあの飾り気のない口調(くちょう)で...
海野十三 「赤外線男」
...飾り気のないさっぱりとした乗馬服を着て栗毛の馬に乗っている颯爽とした姿...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...なんの飾り気もなく...
高神覚昇 「般若心経講義」
...他人ごとのやうにずばずば何でも話してしまふ喜作の飾り気のなさに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その飾り気のなさや無邪気な雅趣によって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...飾り気一点なきも樸訥(ぼくとつ)のさま気に入りてさま/″\話しなどするうち京都々々と呼ぶ車掌の声にあわたゞしく下りたるが群集の中にかくれたり...
寺田寅彦 「東上記」
...部屋は洗面台と数冊の書籍とをそなえた飾り気のない小さい室(へや)である...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...まん中の窓のそばにある、飾り気のない、不細工な、木造りの四角のテーブルは、その片隅から移されたものらしかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...すべてそういう弱い神経作用がいささかの飾り気もなく出ている...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...飾り気がなくって...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...などと檀紙に飾り気もなく書いてあるのが美しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...飾り気がないままに譬(たと)えようもなく美しく見えました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...如何にも単純な飾り気のない性格に見える...
夢野久作 「オンチ」
...飾り気なく語った...
吉川英治 「三国志」
...誰にもあり勝ちな飾り気の全く見えない――余りにも正直すぎるくらいな藤吉郎の淡々たる舌の音に...
吉川英治 「新書太閤記」
...この使者の飾り気のなさを...
吉川英治 「新書太閤記」
...(大殿はまことに飾り気がなくてよい...
吉川英治 「新書太閤記」
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