...飽く事もなくその縁(ふち)から底にかけての円味(まるみ)を持った微妙な手ざわりを愛(め)で慈(いつく)しんだ...
有島武郎 「或る女」
...康囘(こうかい)貪婪(どんらん)飽くなく...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...直きに新聞にも飽きて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...山海の珍味を尽し、美を尽し、善を尽し、出(いづ)るに自動車あり、居(を)るに明眸皓歯(めいぼうかうし)あり、面白い書籍あり、心を蕩(とろ)かす賭博(とばく)あり、飽食し、暖衣し、富貴あり、名誉あり、一の他の不満不平あるなくして、それでも猶(な)ほ魂に満されざる声を聞くのは何の故か...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...しかし飽き疲れうっとりしてまた力を失い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その古い精神を新しい社会に飽くまで課そうとしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もっとも、山口屋も浮気で、お政に飽きて、山谷のお寿のところへ繁々(しげしげ)行くようになったそうですから、お政にしてみれば、冷飯食いの又次郎の機嫌などを取っちゃいられなかったでしょう」ガラッ八の話を聞きながら、平次は何やら深々と考えております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...飽くほどのことにはいたらなかった...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...写真はもう飽きて止めのことにして仕舞つたから御安心...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...湯村は飽くまで初対面に構へた...
眞山青果 「茗荷畠」
...飽迄も一家に働き手を殖す事にあるらしい...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...いつもこんなふうに遠い所に立つものの態度を変えないのを宮は飽き足らずに思っておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...見飽きのしない葉の色とに...
山本周五郎 「竹柏記」
...飽くまでねばり強く...
吉川英治 「上杉謙信」
...泰平の世に無用なお役儀には飽き果てましたよ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...飽かぬ仲だったが実家へ帰し...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...飽くまで勝つ! 飽くまで天寿を全うするまで勝ち抜いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「…………」飽かないように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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