...実際藤野さんは、今想うても余り類のない程美しい児だつたので、前髪を眉の辺まで下げた顔が円く、黒味勝の眼がパツチリと明るくて、色は飽迄白く、笑ふ毎に笑窪(ゑくぼ)が出来た...
石川啄木 「二筋の血」
...世間の一部の人は虚子の俳句に飽いているのである...
高浜虚子 「俳句への道」
...女に飽いた男が好くんじゃ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...欲する儘につねに飽く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...本当にどうかして人類が滅亡しなければいいですねえ!』もうさん/″\聞き飽きた不誠実な反対説を待ち設けていたかのように...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...就業しているダイバーの背骨をちょいと突いてやるだけで簡単に死んでしまう飽気なさで...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...」さてなんとしたものだらう? 哥薩克ともある者が女(あま)つこどもの仲間へ入つて阿房(ドゥールニャ)をやるなんて! 祖父は飽くまで潔よしとしなかつたけれど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そして読書に飽きたオオビュルナンの目には Balzac が小説に出る女主人公のように映ずるのである...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...周子は飽くまでも無感興を固持してゐた...
牧野信一 「毒気」
...大原はせめてお登和嬢の手料理を飽食(ほうしょく)してその心を迎えんと「お登和さん...
村井弦斎 「食道楽」
...彼女は飽かず眺めつづけた...
山川方夫 「箱の中のあなた」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...ふたたび人々を飽かしめた...
吉川英治 「三国志」
...飽きも飽かれもし初(そ)めている仲ではない...
吉川英治 「私本太平記」
...そのつよい匂いに飽いた蜂が...
吉川英治 「私本太平記」
...禽獣(きんじゅう)に飽(あ)かせてくれ)――と...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...飽くまで徳川家中心で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...寝飽きるくらい長かったが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索