...それでも敷居(しきい)をまたぐと土間のすみの竈(かまど)には火が暖かい光を放って水飴(みずあめ)のようにやわらかく撓(しな)いながら燃えている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...私はまず第一に従来原料として用いていた水飴について甚だ無知であったことを発見したのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...飴玉をしゃぶりつついくつかの村を過ぎる...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...一匹の飴色(あめいろ)の小牛を追うて出て来た...
寺田寅彦 「写生紀行」
...飴や玩具類の屋台店が立ち並び...
豊島与志雄 「母親」
...山下に来かゝつた時には飴はいつか残り少く...
永井荷風 「にぎり飯」
...さよりの樣な飴色の細(ほそ)い魚とが盛んに泳いでゐるのを見下してゐる中に...
中島敦 「環礁」
...丑松は飴屋崩れの凄い男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憶ひ出の中では飴色の光りが輝き...
牧野信一 「山峡の凧」
...…………飴屋の唐人笛(ちゃるめら)が聞こえる...
正岡容 「寄席」
...自動他動いろいろの点から是が非でももうひと晩もうひとつ晩と意味なく飴のごとくに物語を延びさせてしまったものではなかろうか...
正岡容 「我が圓朝研究」
...「珍らしい夫婦だな」「兄妹(きょうだい)だろうか」「女の方は飴(あめ)の人形を引き延したようだ」「男の方はまるで踏(ふ)み潰(つぶ)したようだ」「どこへ行く人だろう」「都へ見世物になりに行くんだろう」「見世物になったら大評判だろうな」「今なら無料(ただ)だ」「ヤア無料(ただ)の見世物だ...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...日向の飴の様な字をかなり並べる間...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...座って サイドボールドの中を覗き美しい柳の描いてある 水なし飴を一つつまみひとりで...
宮本百合子 「五月の空」
...鉄釉(てつぐすり)の飴色や海鼠(なまこ)色で鉢だとか片口だとか甕(かめ)だとかを焼きます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...練飴(ねりあめ)を舐(ね)ぶらせて行く...
吉川英治 「新書太閤記」
...飴(あめ)のように体は伸びを欲する...
吉川英治 「宮本武蔵」
...飴屋(あめや)が飴をのばすように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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