...譬(たと)へば飴(あめ)の海(うみ)に浮(うか)んでゐる船(ふね)である...
今村明恒 「地震の話」
...戦車はどろどろと飴(あめ)のように熔けてゆくのであった...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...飴に黒砂糖なすったやうな...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...そして一分おきに自動車用手提(てさげ)から自動車用鏡を出して薄飴(うすあめ)いろのKEVAの口紅をアプライしていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...飴玉をしゃぶりつついくつかの村を過ぎる...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...それでちょっとでも身動きしようとするとこの飴が痛むからだには無限の抵抗となって運動を阻止する...
寺田寅彦 「柿の種」
...小皿にあった飴(あめ)を出した...
徳田秋声 「縮図」
...この和田浜の宿では唐饅頭という飴を餡にした下等な菓子が名物であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...人々はそれを伊賀亮が、何(ど)う捌(さば)くか?、この問答が一期(ご)の浮沈であると、心臓を喘(あえ)がせながら、血を冷たくさせながら、全身的の緊張で、聞入ったが――天一坊が、御落胤ならば、飴色であろうと、三つ葉葵であろうと、そんな事は、末(すえ)の話であった...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...三十やはりこのへんに住んで百姓と商ひを半半にしてる水飴屋の親仁があつた...
中勘助 「銀の匙」
...飴を捻(ねじ)るように捻切ってありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...さよりの樣な飴色の細(ほそ)い魚とが盛んに泳いでゐるのを見下してゐる中に...
中島敦 「環礁」
...水飴のような性質が効いてきて...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...小角力は傘もさゝずに濡れて行き蔦雄男親纏(まとゐ)のやうに遊ばせる同神楽堂飴屋の傘へ釣を垂れ同第三句...
正岡容 「大正東京錦絵」
...指の間へ挟んでみて指を開くと飴のように線(すじ)を引いて色が白くなる処がちょうどいい工合(ぐあい)なのです...
村井弦斎 「食道楽」
...○水飴は半ば有益なる葡萄糖に変化したる糖分六割と糊精一割六分と少量の蛋白質を含み...
村井弦斎 「食道楽」
...染付はもとより、象嵌(ぞうがん)、流釉(ながしぐすり)、陰刻、黒釉、飴釉、白釉、緑釉等々、多過ぎるほどの変化です...
柳宗悦 「民藝四十年」
...玩具や飴などをひと包にし...
山本周五郎 「柳橋物語」
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