...日に一度ぐらい渡(わた)されるにぎりめしを自分は食わずに馬に食わせたり...
安藤盛 「三両清兵衛と名馬朝月」
...食うや食わずで困り切っている彼ら夫妻に...
谷譲次 「踊る地平線」
...食うや食わずで昨日今日を送り迎えている...
種田山頭火 「述懐」
...食うや食わずの男と...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...ここへ店を出してから食う物も食わずに...
徳田秋声 「新世帯」
...生れて三年間、飲まず食わず、殊に一言も言葉を発せず、神秘な生存を続けて、そしてその三年の終りに、世の変異を予言して死ぬ...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...」矢田は自分の店へ電話をかけ、どうしても帰らなければならない用事が出来たというので、朝飯も食わず、君江を残して急いで帰って行った...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...しかし天下の士といえども食わずには働けない...
夏目漱石 「野分」
...妻は食わずに辛抱(しんぼう)する気遣(きづかい)はない...
夏目漱石 「野分」
...周の粟を食わずといって首陽山に隠れた...
新渡戸稲造 「真の愛国心」
...全く食わず呑まずに...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「ところで、八」「へッ、有難(ありがて)えことに、今度はガラ抜きと来たね、何です親分」「今日の行先を知っているだろうな」「知りませんよ、いきなり親分が、サア行こう、サア行こう――て言うから跟(つ)いて来たんで、時分が時分だから、大方、“百尺”でも奢(おご)って下さるんでしょう」「馬鹿だね、相変らず奢らせる事ばかり考えてやがる――今日のはそんな気のきいたんじゃねえ」「ヘエ――そうすると、いつかみたいに、食わず飲まずで、人間は何里歩けるか、お前に試させるんだ、てな事になりゃしませんか」「いや、そんな罪の深いのじゃないが――変な事を聞くようだが、手前(てめえ)、身体を汚したことがあるかい」「身体を汚す?」「文身(ほりもの)があるかということだよ、――実は今日両国の『種村(たねむら)』に“文身自慢の会”というのがあるんだ」「ヘエ――」「これから覗いてみようと思うんだが、蚤(のみ)が螫(さ)したほどでもいいから、身体に文身のない者は入れないことになっている」「それなら大丈夫で」「あるかい」「あるかいは情けねえ、この通り」袷(あわせ)の裾(すそ)を捲(まく)って見せると、なるほど、ガラッ八の左の足の踝(くるぶし)に筋彫(すじぼり)で小さく桃の実を彫ったのがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物をも食わずにうめき続け...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...食わず飲まずで見張っていてひどく疲れております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...厩(うまや)に入れて麦と草を与えると食わず...
南方熊楠 「十二支考」
...ただしアプレウスの書に無花果(いちじく)の一種能く屁放らしむるを婦女避けて食わずとあれば...
南方熊楠 「十二支考」
...にんげん三日も食わずにいて堪るもんか」こう云ったが...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...三尊の拝殿から入って、いちばん奥の廟窟(びょうくつ)の床(ゆか)に、ひとりで坐りこんだまま、ものも食わずに、参籠(さんろう)しているのだ」――そんな話を、だまって、眼をふさいで聞いている四十ぢかい僧があった...
吉川英治 「親鸞」
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