...雀の子が遽しく羽を飜(かへ)して飛び廻った...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...私の一生涯の運命を決すべき樣々な激浪と渦卷とに飜弄されてゐた...
石川三四郎 「浪」
...手帛(ハンカチ)らしい一掴(つかみ)ほどのものがパッと飜(ひるがえ)って落ちた...
海野十三 「振動魔」
...やがて本心に飜(か)へりしとぞ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...言葉として或る程度まで飜訳は可能でなくてはならぬ(この文学上の飜訳の問題に就いては野上豊一郎氏「飜訳論」――岩波講座『世界文学』の内を見よ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...溢(あふ)れる水に濡(ぬ)れた御手洗(みたらし)の石が飜(ひるが)える奉納の手拭(てぬぐい)のかげにもう何となく冷(つめた)いように思われた...
永井荷風 「すみだ川」
...それが朝風に飜って居る勇しさに...
広津柳浪 「昇降場」
...夫れから同じ長州の藩士で東条礼蔵(とうじょうれいぞう)と云う人も矢張(やは)り私と同僚飜訳方(ほんやくがた)で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...其教科書は各国語に飜訳されてある...
二葉亭四迷 「エスペラントの話」
...繊細な感覚は飜訳によって伝えられることが不可能である...
三木清 「如何に読書すべきか」
...他の哲學を模倣したり飜譯したりするのでなく...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...それは飜譯の諸要素について恰もそれらが原物の諸部分であるかのやうに論ずることのうちに成立してゐる...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...身を飜(ひるがえ)して玄関へ逃げた...
森鴎外 「じいさんばあさん」
...刃は飜(こぼ)れはしなかつたやうだ...
森鴎外 「高瀬舟」
...飜訳に誤訳のない飜訳はない...
森鴎外 「不苦心談」
...……『脳髄のトリック』に飜弄されつつある『脳髄の悲喜劇』が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...これを封建時代の文化に飜つて反省してみると...
吉川英治 「折々の記」
...そこで信長は前の決定を飜えし...
和辻哲郎 「鎖国」
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