...流れるやうに飛んで行く褐色の鳥が一羽あつた...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...どうしてそれが反対の側の空へ飛んで行くと考へられるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...しかも物すごいうなり声を立てて飛んで行くのが縁側の障子のガラス越しにあざやかに見えた...
寺田寅彦 「柿の種」
...幻のごとく飛んで行く鴎(かもめ)も寂しいものだったが...
徳田秋声 「縮図」
...流れを隔てて駕籠の飛んで行くのがよく見えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...意地の悪い鴉(からす)が飛んで行く羽風であったかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それはまったく透明で、急激に流れながら、底の水が噴水のように上表まで突き上って溢れ、あふれて又底の方へ潜り込んで、水と水とがギシギシ摩擦し合い、しかもそれが、恐ろしい全体の勢いに乗って、飛んで行く...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...または自分の力でどこかへ飛んで行くに相違ない...
夏目漱石 「行人」
...それへと飛んで行く...
夏目漱石 「三四郎」
...雁が来た親の雁は下を見い見い飛んでゆく子の雁も下を見い見い飛んでゆく親の雁は先へ先へと飛んでゆく子の雁も皆(みん)な続いて飛んで行く親の雁が首を伸して鳴き出すと子の雁も首を伸して鳴いてゐる雁は鳴き鳴き...
野口雨情 「未刊童謡」
...「どうした/\」飛んで行くガラツ八...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...血染の匕首が開けたままの窓の外へ飛んで行くのを見極(みきわ)めて半助は死んだのだろう」「…………」あまりの恐ろしい企み...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次と八五郎が四谷忍(おし)町に飛んで行くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夢中になって飛んで行く船が不思議でたまらなかった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...抜身が飛んで行く」と口々に叫び...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ひゆつと寂しい鋭い音を立てゝ飛んで行く...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...お使いにも渋らずに飛んで行くという風だったから...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...風が吹くと飛んで行く...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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