...木が後ろに飛んで行くように見えた...
板倉勝宣 「春の上河内へ」
...その上をかすめて時々何かしら小さな羽虫が銀色の光を放って流星のように飛んで行く...
寺田寅彦 「芝刈り」
...それはまったく透明で、急激に流れながら、底の水が噴水のように上表まで突き上って溢れ、あふれて又底の方へ潜り込んで、水と水とがギシギシ摩擦し合い、しかもそれが、恐ろしい全体の勢いに乗って、飛んで行く...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...大急ぎで飛んで行くと果して大変――永田町の外交研究会の事務所へ...
野村胡堂 「女記者の役割」
...「それはいい塩梅(あんばい)だ」健一が飛んで行くと...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...默つて飛んで行く男の後ろ姿を見て居ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お直を呼んでくれ」「合点」八五郎は柄に似合わず軽快に飛んで行くとまもなく妾のお直を伴(つ)れて――いや...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大急ぎだよ」飛んで行く下っ引を見送って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...傍に死骸があるやうだから動いちやならねエ」平次は淺草橋の番所まで飛んで行くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その邊に中身だつてあるだらう」平次がお勝手へ飛んで行くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...掛り人の喜八郎まで飛んで行くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ぼんやりした心で空を見てゐるのが好きだああ都會の空を遠く悲しげにながれてゆく煤煙またその都會の屋根をこえてはるかにちひさく燕の飛んで行く姿をみるのが好きだ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...紅い風船が飛んで行く...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...抜身が飛んで行く」と口々に叫び...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...一丁目の交叉点を越えて南佐久間町の方へ飛んで行く...
久生十蘭 「魔都」
...すると空中にざあっと雨のような音がして何かまっくらなものがいくかたまりもいくかたまりも鉄砲丸(てっぽうだま)のように川の向うの方へ飛んで行くのでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...魚雷は与へられた方向にまつしぐらに飛んで行く...
宮原晃一郎 「怪艦ウルフ号」
...普通人が歩くよりも早い速度で飛んで行くのであった...
夢野久作 「一足お先に」
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