...漢詩に「桂馬飄逸」という表現がある...
...しかしそんなことよりも見も知らぬ人のまえでこんな工合(ぐあい)に気やすくうたい出してうたうと直(す)ぐにその謡(うた)っているものの世界へ己(おの)れを没入させてしまい何の雑念にも煩(わずら)わされないといった風な飄逸(ひょういつ)な心境がきいているうちに自然とこちらへのりうつるので...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...何とも云えぬ飄逸(ひょういつ)な表情に...
谷崎潤一郎 「幇間」
...言語挙動のすべてを一種の飄逸(ひょういつ)なものにして見せる...
中里介山 「大菩薩峠」
...この先生が飄逸(ひょういつ)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...それも懐素のような奇怪な又飄逸(ひょういつ)なものではありません...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...飄逸(ひょういつ)の趣(おもむき)は...
夏目漱石 「草枕」
...美的にせよ、突兀的にせよ、飄逸的にせよ、皆吾人の物の関係を味う時の味い方で、そのいずれを選ぶかは文芸家の理想できまるべき問題でありますから、分化の結果理想が殖(ふ)えれば、どこまで割れて行くか分りません...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...島人から村長さんと名づけられているほどのんきで飄逸(ひょういつ)な...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...飄逸(ひょういつ)なところのない今様(いまよう)仙人ゆえ...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...飄逸な掛声で音頭をとつても...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...如何にも飄逸な皮肉な男でもあるかのやうなつもりで...
牧野信一 「妄想患者」
...同じく飄逸な至芸だったと聞く先代浪華軒〆友は八代目林家正蔵君とも盟友だった由であるが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...しかし俳句の短冊などはさすがに特色のある飄逸味が現われています...
山本笑月 「明治世相百話」
...すべて飄逸にしてしかも高雅の逸品...
山本笑月 「明治世相百話」
...翁は稀に見る飄逸の名人肌...
山本笑月 「明治世相百話」
...一見飄逸なような...
夢野久作 「挿絵と闘った話」
...君の迂愚と、多情と、あはれさと、飄逸性とを、もつとも愛して、君を神韻化した畫家に、小川芋錢のあることは知つてゐるだらうな...
吉川英治 「折々の記」
...話せば飄逸(ひょういつ)で元気で...
吉川英治 「新書太閤記」
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