...渠には些とも心を痛めてゐる風がない...
石川啄木 「足跡」
...風がないので、白い煙やガスがまっすぐに立ち昇っている...
梅崎春生 「幻化」
...天気がよく、風がないので、海は湖水のように静かだ...
江戸川乱歩 「影男」
...この吹き溜りには風がないので...
大阪圭吉 「死の快走船」
...二萬の大軍に号令する武門の棟梁(とうりょう)の威風がない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...風がないのは結構ですね...
種田山頭火 「行乞記」
...幸ひ風がないので...
田山録弥 「初冬の記事」
...風がないからわりあいに寒くはないようなものの...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも風がないので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...風がないので竹は鳴らなかったけれども...
夏目漱石 「明暗」
...さむさはさむいが風がないだけに歩行がらくで...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...ソヨリとも風がない米子停車場(ステンショ)前の招福館という寄席の楽屋...
正岡容 「寄席」
...「まだ今日は風がないから...
水野葉舟 「遠野へ」
...風がない...
山本周五郎 「青べか日記」
...風がない...
吉川英治 「私本太平記」
...三には無欲恬淡(てんたん)で物に慳貪(けんどん)の風がない――と...
吉川英治 「私本太平記」
...だが群集浪費の心理はちっとも惜しむ風がない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...自分の美貌にうぬぼれていた風がないではない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??