...寒いけれども風がないから少しお歩きになりませんか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...二萬の大軍に号令する武門の棟梁(とうりょう)の威風がない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...風がないのが何よりだ...
種田山頭火 「其中日記」
...風がないから大したことはありますまい」言っているうちに火の赤るみはようやく大きくなる...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初から怒るの風がないのみならず...
中里介山 「大菩薩峠」
...風がないのと、暮の街で注意が行屆いたので、これ丈けで濟んだのは不幸中の幸ひでしたが、困つたことは、肝腎(かんじん)の錢形平次が、それつ切り行方不知になつてしまつたことです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのひとは気にもしないふうで、「家のものが、昼間からお邪魔しているはずなんですが、月がいいから、呼びだして散歩でもしようと思って」そう言うと、月を仰いで、「蒸しますな……海端も、思ったより、風がない」と、しんみりとつぶやいた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...風がないので、細く吐き出した煙草の煙りは天井まで伸びて行つた...
牧野信一 「悪筆」
...ソヨリとも風がない米子停車場(ステンショ)前の招福館という寄席の楽屋...
正岡容 「寄席」
...この頃日向は風がないと暖かね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...風がない日ですからかしら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...風がない...
山本周五郎 「青べか日記」
...おまけに風がないと来ているので...
夢野久作 「暗黒公使」
...いつもの野趣の風がない...
吉川英治 「江戸三国志」
...風がないような日でも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るからに剛健で、軽薄の風がない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分の美貌にうぬぼれていた風がないではない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...西洋にももちろんこの風がないわけではないが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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