...高村軍曹は更に殴りつける用意をして右手を顫はしてゐたが...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...泣くでないぞ泣くでないぞ」彼は顫(ふる)え声を跡に残して子供を部屋に抱き入れ...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...フェルナン・グレエグわれは生きたりわれは命(いのち)の渦卷の中(なか)にあり……弱し、顫へたり、蒼ざめたり、不安なり、苛苛(いらいら)し...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...そしてフランクリンが寒さに顫(ふる)へてゐるのを見ても...
薄田泣菫 「茶話」
...挙げている両手も脚も烈しく顫(ふる)え出してきた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...」「だがぎりぎり結着のところ土曜までだぜ」とラエーフスキイはじりじりしながら身を顫わせて囁いた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...だんだん顫えて来た...
直木三十五 「南国太平記」
...「父上様」浪江は半蔵の小脇に身を顫(ふる)わせて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ハイ」娘は一ぺんに顫へ上がつて了ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...温かいふくよかな肉が波打つやうに顫(ふる)へて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いぢらしさに顫(ふる)へるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...体中がなぜともなく、小刻みに顫えて、『どの位の山が来るだろうか、大きな奴だったら、もう一切おしまいだ、緑屋も押し潰し、埋め込んでしまうし、そうなれば、五十年近い俺の稼業も、これでひとまず行き止りというものだろうし、だが、何とかならないものかな、何とかして、この山を止める法はないのか、まだ落ちてしまったのじゃないし、何とか方法はないのか、と考えたり、ワルや玄能や、ロープや、スコやノミなどを片付けさせたり、トロを押し出させたり、坑夫を山の上からも下からも引き上げさせたりして、さて、すっかり片付いてしまうと、この山は奇蹟でこのまま、食い止まるのじゃあるまいか、と思ったりして、いろいろ考えあぐんで、腹の決まらないもんだね...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...――自分のからだを見て顫(ふる)えた...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私の背後で彼女が少し顫声(ふるえごえ)で言った...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...私の耳に空気を顫わすカレドニアンが響いている...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...蒼ざめた庄吉の顔がたそがれの光のなかで顫え...
山本周五郎 「柳橋物語」
...顫(ふる)えあがって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...思わずガクンと体の顫えるような...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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