...この丸で動かないように見えている全体が、引き吊るように、ぶるぶると顫え、ぴくぴくと引き附けているのである...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...亀縮(かじか)むだ手を出して顫(ふる)へてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...寒気(さむけ)がして顫(ふる)いが来ると云うのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...肉體中(からだぢゅう)が顫動(ふるへ)るわい...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...寛(くつろ)げた寝衣(ねまき)の胸に吹き入るしぶきに身顫(みぶる)いをしてふと台場の方を見ると...
寺田寅彦 「嵐」
...ぶるぶる両手を顫わしながら「これっ...
直木三十五 「南国太平記」
...どうしても自分が狂者としてしか扱われないことを知ると叔孫は衰え切った身体を顫わせて号泣する...
中島敦 「牛人」
...彼は身顫ひし、そして怖い物見たさのやうにもう一度それを見た...
長與善郎 「青銅の基督」
...湯に入つて顫へたものは古往今來澤山あるまいと思ふ...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...その声は顫(ふる)えている...
夏目漱石 「倫敦塔」
...「昨夜殺されましたよ」手代はぞつと身を顫はせます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唯もう顫へ上がつてしまひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恐ろしい予感にゾッと身内の顫(ふる)えを感じないわけには行きません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...怪しく顫へを帯びた声で喚きざま...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...声を顫(ふる)わせて言った...
堀辰雄 「曠野」
...パンを! スクラム!スクラム!一九三五年おれは―――毎日のように鞭でひっぱたかれる機械の顫音と荷物をうけわたす徒刑囚の退屈な懸け声と革紐で吊し上げられる囚徒の悲鳴と―――銃声とそして―――瞬間!殺戮の叫喚と混乱を聞き番号と重監禁の札をぶったつけられた独房の扉をおれは破れるばかりに叩きはじめた―――その時!突然...
槇村浩 「獄内にてドイツの同志を思う歌」
...煙草を持っている指先の顫えを見せまいとして...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...あの人の手のひらがあいつの首の下のあたりでわなわなと顫えていた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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