...況(いはん)や片々たる批評家の言葉などを顧慮してかかつてはいけません...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...ましてその時はそれらの芸術家の外聞(がいぶん)も顧慮してやりたい気もちがあった...
芥川龍之介 「路上」
...故に我等は藝術の製作に際して民衆と社會とを顧慮してゐてはいけない――自分は此の如き主張の中にも猶相當の理由あることを認める...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...しかしわたしはそんなことを顧慮していられる場合でないから...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...童心に与へる影響ならびに発売禁止のおそれを顧慮して...
太宰治 「お伽草紙」
...さういふ場合を顧慮してゐるのである...
田山録弥 「小説新論」
...吾々は次に之を顧慮してこの作用の関係を構成しなければならない...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...例の林陸相の立前を顧慮してであろうか...
戸坂潤 「社会時評」
...社長は彼の酒癖を顧慮して...
豊島与志雄 「電車停留場」
...もはや辻番の咎(とが)めを顧慮している遑(いとま)がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...その作品にはかつて市場や世評を顧慮して生産されたと思わしむるものは一つもない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...英会話の不得意な相手を顧慮して繰り返すことも厭はずに...
牧野信一 「舞踏会余話」
...こういうことを顧慮してはどうですか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ハハ!友吉 (その自分のコッケイなミジメな姿を顧慮している余裕なく)俊子! 気をつけて! 気をつけて行くんだよ! 治子さんから離れないで――いいかい...
三好十郎 「その人を知らず」
...其の時には國語を淨(きよ)めると云ふことを顧慮して...
森鴎外 「假名遣意見」
...単に同じ対象を尊敬する場合を顧慮して言ってみると...
森鴎外 「寒山拾得」
...すでに何を顧慮しているひまもなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...出発前の多用なのを顧慮して辞去しようとするフロイスを...
和辻哲郎 「鎖国」
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