...ましてその時はそれらの芸術家の外聞(がいぶん)も顧慮してやりたい気もちがあった...
芥川龍之介 「路上」
...私は屡(しばしば)私自身に顧慮する以上に外界に顧慮しているからだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...前後を顧慮している...
大隈重信 「文明史の教訓」
...童心に与へる影響ならびに発売禁止のおそれを顧慮して...
太宰治 「お伽草紙」
...最も顧慮して図をひいた...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...さういふ場合を顧慮してゐるのである...
田山録弥 「小説新論」
...あるいは俗論を顧慮して不徹底な態度をとらしめ...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...例の林陸相の立前を顧慮してであろうか...
戸坂潤 「社会時評」
...を顧慮してもなお...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...ジャーナリズムの一部分を通じて事実上吾々二人(其他にも沢山のジャーナリストがそうなのだが)に下った禁筆令?の件を顧慮してのことである...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...人民の思わくを顧慮して容易に手をつけることをしなかった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...それを顧慮して話すフロラの家族の者とだけ稍(やゝ)自由に話し得る程度であつたから――英語を持つて様々な日本語の解釈をするのは難儀であつた...
牧野信一 「鸚鵡のゐる部屋」
...周圍を顧慮してゐるものばかりであるやうだ...
正宗白鳥 「回想」
...ハハ!友吉 (その自分のコッケイなミジメな姿を顧慮している余裕なく)俊子! 気をつけて! 気をつけて行くんだよ! 治子さんから離れないで――いいかい...
三好十郎 「その人を知らず」
...これは前年の十二月が大であつたことを顧慮して算しても...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...単に同じ対象を尊敬する場合を顧慮して言ってみると...
森鴎外 「寒山拾得」
...つまり彼はキリスト教排斥運動を顧慮していたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...出発前の多用なのを顧慮して辞去しようとするフロイスを...
和辻哲郎 「鎖国」
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