...いづれも世の榮華を顧みず百姓になりすましたのです...
石川三四郎 「浪」
...孤獨なるその振舞を世の人の顧みずとも何かあらむ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...諸将の同心せざるをも顧みず軽々しく事を起され...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...失礼を顧みず急いでこれを書くところです出来るだけ簡単にしたいと思いますので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...顧みずして可なりと云ふやうな文句があるです...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...*ユウリスチュウス命じたる役に惱める彼の子を屡助け救ひたるわが勳勞を顧みず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...わが是の意見抱けるは一日ならず、さきつ頃 105雷霆の神生める君、明眸ブリーセーイスをアキルリュウスの陣よりし、彼の憤激顧みず、奪ひ來りし時よりぞ、われらの贊せざりしもの、われもろ/\の理によりて諫めたりしも君聽かず、權威に誇り紅頬の少女を君は奪ひ取り、 110神明さへも尊べるアキルリュウスを辱しめぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...されどヘーレー顧みず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...物理学自身の危機をも顧みず...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...内閣は常に軽佻驕傲にして責任を顧みず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それは在来の見解によるいわゆる小説が解体の方向を辿ろうとも、それを顧みずに、小説なるものを吾々の実生活に近づけ、生活感を豊富に注ぎこもうとする傾向である...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...身の程も顧みず、御直参(ごじきさん)の大身へ強請(ゆすり)がましい事を言って来るとは、何事じゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とかくは打ち棄てて顧みず...
福田英子 「妾の半生涯」
...復(また)他を顧みず...
正岡子規 「俳諧大要」
...某(それがし)ヴィシュヌを念ずるに一心にして妻がいかにかの一儀を勤むるも顧みず「川霧に宇治の橋姫朝な/\浮きてや空に物思ふ頃」ほかにいいのがあるんだろうと...
南方熊楠 「十二支考」
...まるで時代と云ふものを顧みずに書くことが出来ない...
森鴎外 「歴史其儘と歴史離れ」
...それがしも不才を顧みずお供して...
吉川英治 「三国志」
...身の不自由も顧みず...
吉川英治 「新書太閤記」
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