...現世的欲求を棄てて顧みない人物がほしいのである...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...知識階級の者はすでに棄てて顧みぬ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...今から顧みるとまるで夢のようだ...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...群馬両県の人民がすでに著しい徴候を恬として顧みなかったのと同様である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...あらゆるものを顧みる暇がなかったほど困難を極めていた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...ほっと一息ついて顧みると...
豊島与志雄 「ヒロシマの声」
...ほとんど誰も顧みる者がありませんでした...
豊島与志雄 「霊感」
...相顧みてささやき合うたのも無理のないところでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...春も八十八夜となつて草木のやはらかな緑が四方を飾るやうになるとみじめな姿で顧みられなかつた畑のへりの茶の木のめぐりも赤い襷の女共が笑ひ興じて俄かに賑かになる...
長塚節 「芋掘り」
...後(あと)から顧みると...
夏目漱石 「それから」
...番頭を刺して逆に飛び込む隙(ひま)はないはずだ」「…………」平次は顧みて他を言います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ハッとした様子でお鳥を顧みました...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...顧みられる価値が姫君にあるかどうかは疑わしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その存在は幾多の感謝を以て顧みられねばならないのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...――顧みて、お味方を案ずるに、今となって、善光寺方面より兵糧の運輸を計らんにも、途中、武田勢の奇襲あるは必定...
吉川英治 「上杉謙信」
...「お登りなされますか」追いついた一柳市助、木村隼人佑(はやとのすけ)、浅野日向などが、息せいて訊ねると、秀吉は顧みて、「おう、あの辺りまで」と、竹の杖を上げて、中腹の一高地を指した...
吉川英治 「新書太閤記」
...背後(うしろ)に佇(たたず)んだ菅谷半之丞をそっと顧みても...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...供の縫殿介という若党を顧みた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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