...三好家では驚いて代代幡署(よよはたしょ)へ荻原の捜査方(そうさかた)を願い出た...
田中貢太郎 「位牌と鼠」
...これもおなじ土地にあった河原崎座(かわらざきざ)が采女(うねめ)が原(はら)へ新築許可を願い出ていた...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...本船へ出張の上保護を加えてもらいたいと願い出た...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...というのは、この十六歳ばかりの少女は、前の料理女がひまを取ってからけなげに我慢していたが、台所の鍵はたえずかけておいて、ただ特別に呼ばれたときだけ開けるだけでよいということにしてくれ、と願い出て、許されていたのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...大字内の神林をことごとく伐らんと願い出でたり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...数年まえより御山の一手御用を願い出ておった...
山本周五郎 「いさましい話」
...願い出ろというのならそうするのが順序だ...
山本周五郎 「さぶ」
...「そのほうは自分からこの役を願い出たということだが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...「この役目を願い出た本心が...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...と繰り返し願い出た...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...家老職まで願い出ることにした...
山本周五郎 「竹柏記」
...亀千代をもって家督を願い出たようであるが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...十五歳以上になる者を改めて願い出るがよかろう...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...彼はその女の顔を一度見たいと願い出した...
横光利一 「街の底」
...厚顔(あつかま)しいお取なしを願い出...
吉川英治 「剣難女難」
...尊氏の願い出た降伏は...
吉川英治 「私本太平記」
...公卿(くげ)の常盤井(ときわい)殿へ伺候して拝謁(はいえつ)を願い出たら...
吉川英治 「新書太閤記」
...ところが、その藤吉郎の木下勢は、信長が龍ヶ鼻へ退陣してから程なく、長浜を立って、これへ参加し、すぐ信長を営中に訪ねて、「願わくば、次の決戦には、木下勢に先鋒の第一陣を仰せつけられますように」と、願い出たので、信長は驚くよりも、後方の敵を、どう処置して来たか、疑った...
吉川英治 「新書太閤記」
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