...明々白地に顕れてゐる...
芥川龍之介 「芸術その他」
...やがて僕の身辺をそれとなく護衛していたと号する一青年が顕れて...
永井荷風 「申訳」
...それにも係らず其名の世に顕れない事について...
永井荷風 「来訪者」
...教養の低い所に一段と明瞭に顕れる現象であるといふことは...
中原中也 「西部通信」
...此の子の上に顕れて...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...山陽をまつて初めて顕れたものではないが併しその性格なり閲歴なりから見ると...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...今舞台へ顕れる熊野は...
野口米次郎 「能楽論」
...四階の屋根裏には、エリスはまだ寝(い)ねずと覚(お)ぼしく、烱然(けいぜん)たる一星の火、暗き空にすかせば、明かに見ゆるが、降りしきる鷺の如き雪片に、乍(たちま)ち掩はれ、乍ちまた顕れて、風に弄(もてあそ)ばるゝに似たり...
森鴎外 「舞姫」
...実が眼立って顕れてくる...
横光利一 「夜の靴」
...前からこういうときでも少しも表情に顕れない彼だった...
横光利一 「夜の靴」
...家の盛衰も餅の円形に顕れている...
横光利一 「夜の靴」
...文面に顕れた明るさが却って浮き足立ったものに見え...
横光利一 「旅愁」
...白く息を吐きながら遅れて顕れるといよいよ荷物の審査が始まった...
横光利一 「旅愁」
...淡路島らしい島が薄霧の上に煙って幽かに顕れて来る...
横光利一 「旅愁」
...今もなおどちらを向こうとも面前に立ち顕れ...
横光利一 「旅愁」
...そこへ女中が薄切りのスモーキングの鮭を持って顕れ...
横光利一 「旅愁」
...白い卓布の上から鮮かに顕れて来たころ食事は終った...
横光利一 「旅愁」
...田辺侯爵邸の大きな門柱が顕れ...
横光利一 「旅愁」
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