...何か犯罪が露顕した如くギョッとして...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...露顕して長野の監獄に捕へらるゝ迄其間の行為は...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...水晶の骨組のように繊細を極めた姿を顕している...
中谷宇吉郎 「雪の化石1」
...眼前に顕して思い知らせてやる...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...山北で意地汚なしの本性を顕して給仕に命じて例の香魚鮨を買はんとすると...
二葉亭四迷 「旅日記」
...このことが露顕したとき...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ロキス蛇が馬に化けた時足から露顕したといい...
南方熊楠 「十二支考」
...溝渠縦横忍城(をしじやう)樹間に隠顕して...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...10415己は今頃大手柄を顕しているだろう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...たった今カエサルの中に露顕したもう一つの不徳〔肉欲〕と非常に近い...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一尾の塩鮭を肌に取り隠して露顕した小冠者が...
柳田国男 「雪国の春」
...なまめかしい悩みを顕している風にも矢代には見え...
横光利一 「旅愁」
...」視界にただ一点幾何学を顕した半円のトンネルの口を見降ろしながら...
横光利一 「旅愁」
...その中をおおらかな速度で姿を顕して来る船首の風貌は...
横光利一 「旅愁」
...その夜の二人の危ささえよく顕した艶麗な作だと矢代は思った...
横光利一 「旅愁」
...宦官どもは、一面にあなたを陥し入れるように、陰謀や悪宣伝を放って、露顕しかかると、太后の裳(も)やお袖にすがって、泣き声で訴えます...
吉川英治 「三国志」
...鹿(しし)ヶ谷(たに)事件の露顕した後...
吉川英治 「随筆 新平家」
...末節よりさらに末節に移りたる顕し世の煩いを離れたる時...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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