...鹿爪らしい顏をして訊くのであつたが...
石川啄木 「赤痢」
...渠の顏を仰ぐ樣にして笑ひ乍ら...
石川啄木 「病院の窓」
...かの女の顏が馬鹿/\しいほど凄い――と云ふのは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...顏終に花と映發するに至りて...
大町桂月 「小金井の櫻」
...どの繪にもどの繪にも同じ四つ目垣の何處かの部分が顏を出して居たり...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...マルガレートは、默って、陰氣な顏をして、煮えたっている湯の中を眺めていた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...余は其白い横顏をしげ/\と見守つた...
長塚節 「佐渡が島」
...その顏を平次はヂツと見ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「怨んでゐたわけぢや御座いませんが――」清五郎の顏にあり/\と苦澁の色の表はれるのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...うさんな顏を此方へ持つて來たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...顏は痛々しく苦惱に歪(ゆが)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...娘の顏でも見たくなつたのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...面白くねえ顏をしてゐるが」平次はその間に庭を一と廻り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...疊の上からひよいと顏を持ちあげた...
堀辰雄 「鼠」
...」と儚ないやうな顏(かほ)をしていふ...
三島霜川 「虚弱」
...カムパネルラが氣の毒さうに窓から顏を引つ込めて地圖を見てゐました...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...お咲さきれいに顏がはりがしたぢやないか...
室生犀星 「命」
...前に行つた二人の少女が立ち停つてそこの店頭に下つてゐる男の活動役者の繪顏を何か囁きながら眺めてゐた...
横光利一 「悲しみの代價」
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