...――そこで、その小豆を喰いながら、私(わたい)らが、売女なら、どうしよってんだい、小姐(ちいねえ)さん、内々の紐が、ぶら下ったり、爪の掃除をしない方が、余程(よっぽど)汚れた、頽れた、浅ましい...
泉鏡花 「薄紅梅」
...だが象は頽れながらも一瞬聳えるかに見えたのだ...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「象を撃つ」
...一層木彫りの方は頽れて行ったような次第であって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...剰さへその頽れたる家家より火起り熾に燃えあがりて...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...ぬつと大きな汚ない足が一本出てゐた(その片足は恐らく見るかげもなく頽れてしまつてゐるのだらう)...
種田山頭火 「行乞記」
...それが全く頽れたのは唐の太宗の時の晉書からである...
内藤湖南 「支那史學史概要」
...舊き景物はすべて頽れ...
萩原朔太郎 「宿命」
...季節を逸れた水の氾濫! それこそ兇なる星辰(ほし)の頽れだ≫四肢を張り...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...湿性になりや体はどろどろに頽れやがるし眼は見えなくなるし……と言ひ出す...
北條民雄 「重病室日誌」
...中にはもう頽れかかつたのもあると見えて...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...頽(くず)れるだけ頽れたその姿が見たかったのかも知れない...
本庄陸男 「石狩川」
...お芳の足の霜燒は頽れていたみに變つた...
水野仙子 「四十餘日」
...年と共に頽れてゆくのもあるから...
横瀬夜雨 「田舍の新春」
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