...頼るべき方もなし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...自分から聞かれる事でもなく、頼るは兄の信吾、その信吾が今日媒介者が来たも知らずにゐると思ふと、モウ心配で心配で怺(たま)らなくなつて、今も密(そつ)と吉野の室に行つて、その帰りの遅きを何の為かと話してゐた所...
石川啄木 「鳥影」
...殊に視力を失って単なる記憶に頼るほかなくなってからでも毫も混錯しないで...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...友として頼るべき者もなき悲境に彼は陥ったのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...その倚(よ)る所は蜘蛛網(くものす)の如し」とありて神を忘れて他の物に頼ることの空しきを述べている...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...充分にその効果を現すことに頼るのである...
大隈重信 「日本の文明」
...底に頼る所ありげな諦めの態度で...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...どこへ落着いて誰を頼る――お浜の頭はまだそこまで行っていないので...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日この頃も、いろいろ心配はあるが、あの時に比べれば、頼るべき人と、宿るべきところに事を欠かないだけが、せめてものましというものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...深い眼のうちに我を頼るがごとき女の表情を一瞬たりとも...
夏目漱石 「野分」
...頼る者のないお豊を迎へて只管(ひたすら)伜の無事に歸る日を待つて居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの青髯の武家が私を許して置くはずはありません」「――」「そうかといって頼るところもなし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今となっては頼る人もないこの私を可哀想だと思召して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...娘さんはこの世で頼る人も無く...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...妾の頼る者の後に続いて...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...わたしは記憶に頼れば頼るほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...原田どのを頼るつもりだと云っていたな」「――そうです」「そんなに信頼できる男か」「そうだと思います」新八は唾をのんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...一体に出来るだけ警察を頼るようになったようである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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