...先づ呑牛君に頼むのが早道だぞ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どうか焼かずにおいてくれと泣くように言って頼むので...
田中貢太郎 「青蛙神」
...蒲留仙 ああ、また頼むよ...
田中貢太郎 「涼亭」
...頼む」「はい」勝は...
直木三十五 「南国太平記」
...こっちも手がないから仕方なしに頼むんだが」比田の非難は明らかに健三の見知らない女の上に投げ掛けられた...
夏目漱石 「道草」
...どうか寝てくれたまえと頼むようにして寝かしたまではよかったが――その晩鼠(ねずみ)が出て独仙君の鼻のあたまを噛(かじ)ってね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...岡っ引に化物退治を頼む奴があるものか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頼むから」「ヘエ――」ガラッ八の鼻の穴は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...淋しかつたらお隣の御隱居さんに頼むんだ――遲くて氣の毒だが」言ひ捨てた平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...でなかったら他の者に頼むから...
火野葦平 「糞尿譚」
...それまで看病を頼むと第八は泣くのであつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...真しろい雪に赤いしみをつけないように頼むつもりで行った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...命と頼む人があると知れば...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...こんな所まで曲馬やなんぞが入り込んで来るのさ」「今日ばかりは酔ふと困るから」と酒を控へるように父に頼むスミ...
三好十郎 「おスミの持参金」
...「その話はあとのことだ」と彼は感情を抑えた口ぶりで云った、「いっしょに家へ帰ってくれ、私が頼む、帰っておくれ」娘は答えなかった...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...頼むから、何とか都合してくれよ、え、お蝶さん……」先頃も、同じようなハメになって、お蝶は父二官の合鍵を盗み、父が管理している切支丹屋敷の土蔵から、金目(かねめ)の品物を持ちだして龍平に渡している...
吉川英治 「江戸三国志」
...あまつさえ、この後とも、頼むぞと、すこしも主君顔をされない老公の真情にいたっては、さすがに狡智厚顔なかれも、(ああ、罰(ばち)が中(あた)ろう)と思わず身がふるえて来たのである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...なにも頼むといやしねえや」「わしの言葉が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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