...ねえ君、頼むよ...
海野十三 「海底都市」
...それで殆んど毎日のように鰻を食ったのであるが、帰る時になって、万事頼むよ、とか何とか言った切りで発(た)ってしまった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...味方として頼むには足りない尾張...
中里介山 「大菩薩峠」
...ではいつ出かけられるかというと、それを待っていたんでは、生涯その暇は作れないにきまっているから、今日、たった今思いついたのを吉日として、早速出かけようと決心をしたのだよ」「まあ、上方見物から西国廻(めぐ)りでございますか――ほんにまあ、急なお思い立ちでございますなあ」「そういうわけで、家事向きのことは一切あの老番頭の太平が心得ているから心配はない、ただ不在中を、お前さんに本家の方へ来ていてもらいたいのだ、こっちの留守番は、いくらも人をよこして上げる」「そうでござんしたか、本当のことは、わたしが方で、旦那様にお願いして、旅に出ようと思っていたところでございましたが、あべこべに旦那様がお出かけになるたあ、思いの外でございました」「いや、それで、一時はお前にいっしょに行ってもらいたい、つまりお前さんといっしょに西国めぐりをしようかという気になったのだが、また考え直してみると、ともは相当のを選んでつれて行けるが、留守の方に、頼みになる人を置かなけりゃならぬ、そこで事務の方は太平に任せて置けば心配はなし、お前さんは、ただ本家の方へ来て、すわっていてもらいさえすればよい」これが洒落者(しゃれもの)ならば、なるほど、与八ならば据わりがいい――と交ぜっ返したくなるような頼みなのですが、頼む方も、頼まれる方も、最もしんみりしたものなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...須永に一方の見張りを頼む以上は...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...丁寧に頼むんだぞ」「心得てるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何分頼むぞ」二千二百石取りの殿樣にしては如何にも如才ない調子でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その男に訊いたらわかるでしょう」「それじゃ頼むから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の原稿なんか、頼む事は、あんまりはずかしい気がするし、レモンを輪切りにしたような電気ストーヴが赤くかくかく燃えて、部屋の中は、私の心と五百里位は離れている...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...私が頼むと、彼女はたび/\、箱から出しては、外の空気を吸わせてくれたり、景色を見せてくれました...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...頼むといえば王様殺しの片棒ぐらい担いでやらないもんでもない...
久生十蘭 「魔都」
...不動産屋にあと一週間待ってくれと頼むけど...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...そして一段と声を低くして、「おい、海へ行く行くといふことは余り云はないで呉れよ、頼むよ...
牧野信一 「眠い一日」
...その代り近江屋のほうは頼む...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...俺がやられたら後を頼むよ...
横光利一 「上海」
...そのような出洒張(でしゃば)りは」「お供もなりませぬか」「おぬしには、後を頼む...
吉川英治 「私本太平記」
...ふたたび戻って頼むしかあるまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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