...若々しい鼓動が頻りに胸に打つた...
石川啄木 「鳥影」
...乎(ぼうつ)とした頭腦を何かしら頻りに突つく...
石川啄木 「病院の窓」
...三十五六の小造の男が頻りに洋燈(ランプ)掃除をして居た...
石川啄木 「病院の窓」
...民子は頻りに、にこにこしている...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...氷峰は頻りに同席の印刷屋に向ひ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...監督川島及び僚友が頻りに留任を勧告するをも固く謝して...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...小野さんに宜しく頼んどいてくれって頻りにそういうんだ...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...汽車が頻りに人を轢殺(ひきころ)すからといつて泣く程の是公氏でもないと思つた...
薄田泣菫 「茶話」
...」プラトンは頻りに合点々々をしてかう云つた...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...頻りに旅が思われたりした...
外村繁 「澪標」
...私も頻りに上ってゆっくりして行けとすすめたのだが...
原民喜 「翳」
...頻りに上京のことを考へてゐた...
原民喜 「星のわななき」
...覚融(かくゆう)僧正臨終の時に、弟子共が、遺財の処分を定め置きくれよと、頻りに迫った...
穂積陳重 「法窓夜話」
...殊に友人の悪口を頻りに云う...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...それでもそこから秋の更けるまで頻りに虫がすだいた...
「朝の風」
...また無能にして漫罵詆笑を事とする徒の頻りに投機者流を以て父及び父の同志者を呼ぶあり...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...そして頻りに、算卜(さんぼく)を案じ、やがて袂(たもと)のうちから一小冊をとり出すと、仔細らしく、こう答えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...覗いてみれば薄暗い小屋の中で一人の老爺が頻りに火を焚いてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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