...息子は頻りに母親に詫びて...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...森本はそれに向つて頻りに考へをめぐらし...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お鈴の兄龜一郎が泣き附くやうに頻りに懇願したので決つたこと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼が頻りに檀家の耳に入るとうるさいからと云わるるので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...あれ果てた池には蛙が頻りに聲を立てゝ鳴いた...
田山花袋 「道綱の母」
...白髪(しらが)さえ頻りに眼に付いて来た...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...夫等の志士が頻りに出入したために...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...私は頻りに弁解していたらしいが...
外村繁 「日を愛しむ」
...二年前に逢つた時彼は頻りに人生の意味といふことを語つた...
長塚節 「教師」
...其子が頻りに主婦さんにせがんでは春さんの手に縋つて居た...
長塚節 「菜の花」
...さうしてお婆さんが来るといつでも此所の主人とお婆さんとで頻りに相談をして居るのだといつた...
長塚節 「隣室の客」
...その側で何か頻りに啼声がした...
原民喜 「廃墟から」
...刺繍の巧い人だったと頻りに故人を賞めあった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...(これなら! ……)と、頻りに、彼は思った...
吉川英治 「新書太閤記」
...経略使の(ちゅう)をあいてに訴訟するしか途(みち)はありますまい」湯隆は頻りにすすめた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...頻りにいきり立っているが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...參拜を濟ませて社殿の背後の茶店に休んでゐると鷺の聲が頻りに落ちて來る...
若山牧水 「水郷めぐり」
...ヤジローが鹿児島でポルトガル人のことを頻りに賞讃したので...
和辻哲郎 「鎖国」
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