...心頻(しき)りに安からず...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...タマノオヤの命に科せて八尺の勾玉の五百津の御頻麻流の玉を作らしめ云々」とあるは...
石川三四郎 「社会的分業論」
...』こんな事を言ひながら頻(しき)りと洟水(はなみづ)を啜つた...
石川啄木 「道」
...頻りに怨言(うらみごと)や罵倒の意を反對に送つて來てゐたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...石屋は頻りに思い出そうとしているのです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...歓び笑う声が一頻(ひとしき)り聞えてきた...
田中貢太郎 「美女を盗む鬼神」
...李も手真似をして頻りに何か言つてゐたが...
田山録弥 「一室」
...先生並びに住職が頻りに勸められる...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...八重福満佐等恰その家に在りて誘ふこと頻なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...一人が鼠はおいしいと頻りに云ふので...
原民喜 「雀」
...生駒雷遊はロクロー偏重を頻りに述べてゐた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...籠(かご)の鶉(うずら)もまだ昼飯を貰(もら)わないのでひもじいと見えて頻りにがさがさと籠を掻(か)いて居る...
正岡子規 「飯待つ間」
...夢(ゆめ)でも見(み)てるやうに『猫(ねこ)が蝙蝠(かうもり)を食(た)べるかしら?猫(ねこ)が蝙蝠(かうもり)を食(た)べるかしら?』と頻(しき)りに云(い)つてゐましたが...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...なるたけ頻繁に船の出入りがある方がいい...
宮本百合子 「くちなし」
...(F・O)=(F・I)長屋・物部の浪宅内部何か頻りに話して居る嘉助老人の半身(バスト)から始まります...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...まわらない舌で頻(しき)りに話しかけたり笑ってみせたりした...
山本周五郎 「柳橋物語」
...頻りに辞儀を返し...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今、急激に身を動かしたのが悪かったか、あまりに潮の香が強いためか――「また咳(せき)が出るのう」ばばは、彼女の薄い背をさすって与えながら、その病苦を紛(まぎ)れさせようとしてか、頻りに、武蔵がここに見えるのも、もうわずかな間と、うわさした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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