...ある者は顔を見られぬように頬かぶりをしていたようでもあった...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...其周囲(まはり)には村の若者が頬かぶりに尻はしよりといふ体(てい)で...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...蜀黍の垣根の側に手拭を頬かぶりにした容子の悪い男がのっそりと立って居る...
長塚節 「太十と其犬」
...頬かぶりのむこうむきで...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...重たい荷を背負つて隧道を越すと頬かぶりをした坑夫達が『おい! カチユーシヤ早く帰らねえとあぶねえぞ!』私は十二の少女カチユーシヤと云はれた事はお姫様と言われた事より嬉しかつた『あんやんしつかりやつておくれつ!』7純情な少女にはあの直情で明るく自由な坑夫達の顔から正義の微笑を見逃しはしなかつた...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...派手な裂地(きれぢ)で頬かぶりをして...
林芙美子 「浮雲」
...大道の猿芝居じゃないけれど全く頬かぶりをして歩きたくなってくる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...全く頬かぶりして歩きたくなる...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...鶏の生胆に花火が散って夜が来た東西! 東西!そろそろ男との大詰が近づいたよ一刀両断に切りつけた男の腸にメダカがぴんぴん泳いでいた臭い臭い夜だよ誰も居なけりや泥棒にはいりますぞ!私は貧乏故男も逃げて行きましたあゝ真暗い頬かぶりの夜だよ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...片手で頬かぶりをしていた手拭いをとって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...鼠色になった手拭で頬かぶりをしている...
山本周五郎 「青べか物語」
...頬かぶりをとった老人の顔は...
山本周五郎 「青べか物語」
...印半纏(しるしばんてん)に足は裸で、頬かぶりをし、両手をうしろ腰に組んだまま、ひどく暢(のん)びりと歩いているのである...
山本周五郎 「青べか物語」
...手拭で頬かぶりをし...
山本周五郎 「青べか物語」
...頬かぶりをしていた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...蘇芳染(すおうぞ)めの手拭を頬かぶりにして顎(あご)で結び...
吉川英治 「宮本武蔵」
...頬かぶりの前髪も...
吉川英治 「宮本武蔵」
...若い頬かぶりをした前髪の影が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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