...頬かぶりに鳥打帽の姿はいつも見なれた小竹さんの姿だったが...
海野十三 「少年探偵長」
...其周囲(まはり)には村の若者が頬かぶりに尻はしよりといふ体(てい)で...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...グールメルは浮浪人らが頬かぶりと呼ぶ一種の曲がった梃(てこ)を持っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...頬かぶりをしたタオルの下から縮(ちゞら)し髪の垂れかゝる細面(ほそおもて)は...
永井荷風 「にぎり飯」
...豆絞(まめしぼ)りの頬かぶりをしたままで人に物をこうとは...
中里介山 「大菩薩峠」
...袷(あわせ)ナアーナカノリサン袷ばかりもナンジャラホイやられもせまいヨイヨイヨイ襦袢(じゅばん)ナアーナカノリサン襦袢仕立ててナンジャラホイ足袋そえてヨイヨイヨイこのお婆さんの頬かぶりと踊りぶりが水際立(みずぎわだ)っておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...重たい荷を背負つて隧道を越すと頬かぶりをした坑夫達が『おい! カチユーシヤ早く帰らねえとあぶねえぞ!』私は十二の少女カチユーシヤと云はれた事はお姫様と言われた事より嬉しかつた『あんやんしつかりやつておくれつ!』7純情な少女にはあの直情で明るく自由な坑夫達の顔から正義の微笑を見逃しはしなかつた...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...派手な裂地(きれぢ)で頬かぶりをして...
林芙美子 「浮雲」
...ゆき子は紫の風呂敷で頬かぶりしてゐたが...
林芙美子 「浮雲」
...ああ真暗い頬かぶりの夜だよ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...大道の猿芝居じゃないけれど全く頬かぶりをして歩きたくなってくる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...和平斡旋の頬かぶりや...
久生十蘭 「だいこん」
...頬かぶりした、菜ッ葉服姿の男が、調子の狂ったゼンマイ人形のように、騒々しく、おどりこんで来た...
火野葦平 「花と龍」
...鼠色になった手拭で頬かぶりをしている...
山本周五郎 「青べか物語」
...頬かぶりをした背の高い男がいるのを認めた...
山本周五郎 「ひとでなし」
...赤い手拭いで頬かぶり...
山本笑月 「明治世相百話」
...先へゆく頬かぶりの前髪男へ手をあげて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...前髪に頬かぶりの――城太とよばれた若者もまた――ここまで乗って来た荷駄の背から...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索