...」――信子は頤(あご)を半襟に埋めながら...
芥川龍之介 「秋」
...頤(あご)に短い山羊髯(やぎひげ)であった...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...くくり頤(あご)の福々しいのに...
泉鏡花 「怨霊借用」
...美妙のように何でも来いと頤(あご)を撫(な)でる物識(ものしり)ぶりを発揮しなかった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...赤い血がたらたらと口から頤の方を染めた...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...頤をしゃくってみせた...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...青年の頤(あご)のあたりを黄色く照らした...
海野十三 「恐怖の口笛」
...こっちはまだ大有(おおあ)りだ」と憎々(にくにく)しげに頤(あご)をしゃくり「貰いたいものを貰ってゆかねば...
海野十三 「恐怖の口笛」
...頤鬚(あごひげ)から...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...頤(あご)はより大きい垂れさがりで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼女の身体(からだ)へあてがって見て頤(あご)の下からだらりと下へ垂らしたり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...頤(あご)から手を外して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長いホウルダアにベンソン・ヘッジスをくゆらして給仕を頤で使っていた紳士と...
牧逸馬 「運命のSOS」
...上体はやはり長閑なヘチマのやうにぶらついてゐるのに斜めに頤を伸した伏目をもつて...
牧野信一 「月あかり」
...頤を引いて賞めそやしたが...
牧野信一 「山彦の街」
...にやにやして一人一人頤をもちあげて吟味をした...
山川方夫 「その一年」
...落ちていたんだ」頤をしゃくった...
山川方夫 「その一年」
...下頤(したあご)からさっと鼻先をかすめて上へ閃(ひら)めいてゆく...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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