...どうも日本人の貧弱な顔ぢや毛皮の外套(ぐわいたう)の襟へ頤(おとがひ)を埋(うづ)めても埋め栄(ば)えはしないやうな気がする...
芥川龍之介 「一番気乗のする時」
...対手(あいて)の頤(おとがい)につれて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...頤(あご)を撫でながら...
泉鏡花 「婦系図」
...」衝(つ)と身を起こして追おうとすると、奴(やっこ)は駈出(かけだ)した五足(いつあし)ばかりを、一飛びに跳ね返って、ひょいと踞(しゃが)み、立った女房の前垂(まえだれ)のあたりへ、円い頤(あご)、出額(おでこ)で仰いで、「おい、」という...
泉鏡花 「海異記」
...鉄拳を固めて川上機関大尉の頤を狙ってつきだした...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...頤(あご)がはずれそうなほどつよく頬をぶんなぐられた...
海野十三 「太平洋魔城」
...またあるものは中沢岩太氏のやうに頤(おとがひ)を突き出してこの画家(ゑかき)に喧嘩腰でゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...するとその拍子にうまく頤(あご)が箝(は)まるからな...
薄田泣菫 「茶話」
...頤(あご)はずしの名人でありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...頤(あご)の下が脹(は)れていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...此上甲子(きね)太郎の頤(あご)を取つたところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――頤骨がぎっくりと肘(ひじ)のように突き出て...
牧野信一 「鬼涙村」
...これでは何処に居る時も同様私は無表情のまゝ頤を撫でゝゐるばかりであつた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...子供の頬(ほゝ)や頤(あご)のあたりにこびりついてゐるものを始末した...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...学生は「頤(あご)なし」と云っていた...
森鴎外 「雁」
...頤(あぎと)の紐を結びながら...
吉川英治 「剣難女難」
...信長は藤吉郎を頤(あご)でさして...
吉川英治 「新書太閤記」
...血といっしょに白い頤(あご)をこぼれた...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??