...しかしその認めかたは常に頗(すこぶ)る滑稽(こっけい)である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...頗(すこぶ)るの淡白者(きさくもの)で...
石川啄木 「天鵞絨」
...しかし我が国民は権利に関する観念が頗(すこぶ)る幼穉(ようち)で...
大隈重信 「選挙人に与う」
...テニスに熱中したりして頗(すこぶ)る元気溌剌(はつらつ)たる娘時代を過したようであるが...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...それから先生と大将との間に頗(すこぶ)る珍妙な商談がはじまった...
太宰治 「黄村先生言行録」
...ついては一つ先生に媒妁の労をとっていただきたいという事を頗る無遠慮な口調でお願いした...
太宰治 「佳日」
...その勢ひ頗る強大となり...
太宰治 「津軽」
...頗(すこぶ)る巧妙な話術を以て...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...幅員頗る大にして細く數條をなして流る...
長塚節 「草津行」
...頗(すこぶ)る得意に代助の思う通り口を動かした...
夏目漱石 「それから」
...空気の流通が頗(すこぶ)る宜(よろ)しくないので...
二葉亭四迷 「露都雑記」
...以上の史料の載する所は頗る不完全であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは霞亭に関する記載の頗(すこぶる)不完全なるを自知しながら...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...獨逸語で sittliche Entrstung といふと、頗る片腹痛い...
森林太郎 「當流比較言語學」
...叱言(こごと)じみた事ばかり聞かされたので頗(すこぶ)る不平らしく見えたが...
夢野久作 「巡査辞職」
...頗る不完備であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...頗(すこぶ)るな機嫌である...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...且(か)つ傍(かたはら)に直下数丈の瀑布(ばくふ)ありて幅(はば)も頗(すこぶ)る広(ひろ)し其地の幽(いう)にして其景の奇(き)なる...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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