...併し俺は此等の凡常なる人物によつて構成される潮流には無頓着であることが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...「まだお目ざめではないと申し上げては置きましたが……」「いや会おう……昨日僕は頓馬だった...
海野十三 「地球発狂事件」
...頓珍漢の事のみ出来して実に困却せり」正造は眉間に皺よせて筆先を硯にすりつけていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...分類整頓の習慣を造るとかいうようないわゆる形式的のもののほかには単に利用厚生のみにあると考え...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...7.新しきは頓に擡頭して其の勢衝るべからず...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...世間の心ある人士はわが唯物論研究会のこの客観的意義をば最近頓に「認識」するに到った結果であろう...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...忽(たちま)ちにして冷淡(れいたん)な無頓着(むとんちやく)な運命の手に弄(もてあそ)ばれたい...
永井荷風 「すみだ川」
...女は少しも頓着なしに...
中里介山 「大菩薩峠」
...主人はそれにも頓着(とんじゃく)なく笑う...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...このような素ッ頓狂な雑誌記者輩と引ッつるんで...
久生十蘭 「魔都」
...さあ頓と一字一句だつて会得ができず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...この私の深い信条の仕事が頓挫した事だ...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...一度頓悟して見れば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一時間たつと頓死する毒薬とかいうんで...
山本周五郎 「季節のない街」
...御番頭を射殺するほど頓狂(とんきょう)でもないし...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...私の茲(ここ)に書く物も私の端的な直観を順序に頓着(とんじゃく)しないで記述する外はない...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...全く無頓着なので...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...頓(とみ)に騒然たるものがあったらしい...
吉川英治 「新書太閤記」
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