...私は一人の病人と頑是(がんぜ)ないお前たちとを労(いた)わりながら旅雁(りょがん)のように南を指して遁(のが)れなければならなくなった...
有島武郎 「小さき者へ」
...實に頑是ない好い兒である...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...五六歳の頑是なき小兒...
大町桂月 「白河の七日」
...今はまるで子供のように頑是なくなって...
橘外男 「仁王門」
...なんで頑是(がんぜ)ない方々やお女中方のお命を助けてお上げなされませなんだか...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...尤(もっと)もこれがまだ頑是(がんぜ)ない仔猫であつたら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...頑是(がんぜ)ない私を膝(ひざ)の上に抱(だ)きながら...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...呆れるほどの子供っぽい頑是なさを發揮するのだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...また唯一のあととり息子たるまだ頑是(がんぜ)ないこの拙者の耳に...
中里介山 「大菩薩峠」
...頑是(がんぜ)ない時は頑是ない時のように...
中里介山 「大菩薩峠」
...頑是(がんぜ)ない芳江がよくあれほどに馴つきえたものだという眼前の事実であった...
夏目漱石 「行人」
...写生文家の人間に対する同情は叙述されたる人間と共に頑是(がんぜ)なく煩悶(はんもん)し...
夏目漱石 「写生文」
...同一なる言語を使用しても言う人は子供の頑是(がんぜ)なきところを述べんとの心なるに...
新渡戸稲造 「自警録」
...あの頑是ない太郎の寝顔を眺めながら置いて来るほどの心になりましたからは...
樋口一葉 「十三夜」
...賑やかな新宿の騒ぎ唄をよそに頑是(がんぜ)ない子を抱きしめてこの正直一途の爺やがホロリホロリと涙しながら角筈さして...
正岡容 「我が圓朝研究」
...とにかくこっちはまだ頑是(がんぜ)ない子供なんですから」「さぞ頑是なかったことでしょうよ」「おまえがここで怒ってもしようがないさ」と米良は妻に云った...
山本周五郎 「末っ子」
...おたつはまだ頑是ないし...
山本周五郎 「ちゃん」
...頑是(がんぜ)ないこの一子まであの世へつれてゆくに忍びぬので...
吉川英治 「黒田如水」
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