...一層資産家の彼の父を頑なにしたので...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...生来頑な私の、妻への愛情が私は私なりに、こんなにも精一杯に開花出来たというのも、その自信のゆえではなかったろうか...
外村繁 「夢幻泡影」
...頑なに写真を花房一郎の方へ押し返し乍ら...
野村胡堂 「女記者の役割」
...何か人を寄せつけない頑なものを持つてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...哀れの孫と頑なの翁と唯二人...
一葉 「暗夜」
...野の百合はソロモン王の栄華を尻目にかける頑な心の持主である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...爰(ここ)に驚くべきは我日本国民の資質剛毅(ごうき)にして頑ならず...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...中野の考へ方が益々堅く頑なのでクサった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...彼の頑なゝ心は石のやうに武張つた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...一しきり笑いがしずまるとお関は又元の頑なな顔の表情に立ち返って...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「お店物」を撥じき切る頑なさとなり...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...その頑なさ、その片意地な程の潔癖さを世間の眼は「旋毛曲り」とみていた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...どこか頑なに背を反らした姿勢の...
山川方夫 「昼の花火」
...頑なな……ただひとつ...
山本周五郎 「竹柏記」
...沖に殴りかかろうとする頑な二三の顔が窓からこちらへ顔を突き出し...
横光利一 「旅愁」
...まだ頑な勝気だけが眼に見えて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...唯だ頑なに護られて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その手を、十手で、二つ三つなぐりつけると、さすが、強頑な唖も、手を離して、逃げかけた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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