...まるで頑なな人嫌いのように...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...生来頑な私の、妻への愛情が私は私なりに、こんなにも精一杯に開花出来たというのも、その自信のゆえではなかったろうか...
外村繁 「夢幻泡影」
...頑なの心は、理解に欠けて、なすべきをしらず、ただ利に走り、意気銷沈して、怒りやすく、人に嫌はれて、自らも悲しい...
中原中也 「山羊の歌」
...頑なに写真を花房一郎の方へ押し返し乍ら...
野村胡堂 「女記者の役割」
...何か人を寄せつけない頑なものを持つてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...野の百合はソロモン王の栄華を尻目にかける頑な心の持主である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...爰(ここ)に驚くべきは我日本国民の資質剛毅(ごうき)にして頑ならず...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...中野の考へ方が益々堅く頑なのでクサった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何ぞ夫れ堅にして頑なるや...
正岡子規 「東西南北序」
...嗚呼彼女の堅き頑なゝる皮殼を破りて中心に入り...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...一しきり笑いがしずまるとお関は又元の頑なな顔の表情に立ち返って...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...子供の時分から貧困に頑なにさせられたお関の病的な気持は又もう一度巡って来た変転期にすっかりかたく強められて仕舞ったのである...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「お店物」を撥じき切る頑なさとなり...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...その頑なさ、その片意地な程の潔癖さを世間の眼は「旋毛曲り」とみていた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...沖に殴りかかろうとする頑な二三の顔が窓からこちらへ顔を突き出し...
横光利一 「旅愁」
...まだ頑な勝気だけが眼に見えて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...我ながら俄にそんなことが理解しがたい頑なさに見えて来て...
横光利一 「旅愁」
...唯だ頑なに護られて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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