...昼夜銀行の順礼を続けるのであった...
海野十三 「深夜の市長」
...順礼(じゆんれい)の夫婦(ふうふ)軒下(のきした)に(我が里言には廊下といふ)立(たち)けり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...順礼(じゆんれい)に五放舎と戯(たはふ)れたる名もおもしろく...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...阿波鳴門順礼歌(あはのなるとじゅんれいうた)ふる里(さと)をはる/″\こヽに紀三井寺(きみいでら)花(はな)の都(みやこ)も近(ちか)くなるらん「お鶴(つる)は死(しな)ないんですねえ...
竹久夢二 「桜さく島」
...あの名高い順礼歌は誰方(どなた)も御存じでござりましょう...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...お久を連れて淡路の三十三箇所を順礼しようと云うのであるから...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...どんどろの芝居に出て来るお弓、阿波(あわ)の十郎兵衛、順礼のお鶴、――などと云うのが生きていた世界はきっとこう云う町だったであろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...現にこの場へ出る浅香の順礼姿と云い...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...私は十三年前の順礼行には一冊の自著も携えなかったが今度は旅鞄に「新春」と縮刷「死の蔭に」と「順礼紀行」と而して縮刷『みずのたはこと』を入れて来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...向うから順礼の親子が来る...
二葉亭四迷 「平凡」
...順礼という者は行方知れずになった親兄弟や何かを尋ねて...
二葉亭四迷 「平凡」
...幾里の登り阪を草鞋(わらじ)のあら緒にくわれて見知らぬ順礼の介抱に他生(たしょう)の縁を感じ馬子に叱られ駕籠舁(かごかき)に嘲(あざけ)られながらぶらりぶらりと急がぬ旅路に白雲を踏み草花を摘(つ)む...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...順礼が柄杓(ひしゃく)を突出して居ると...
正岡子規 「病牀六尺」
...偶々(たまたま)久吉順礼姿となりて楼門下に来り...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...柱に記しし歌を読み「順礼に」にて五右衛門が打ち出す手裏剣を右手の柄杓に受け止め...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...宿のない病人や順礼が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ここに」と、十五、六の順礼娘が、「分りましたか」と、側へ駈けてきた...
吉川英治 「無宿人国記」
...……まるで神様が」「いや人間の字だよ」と、縮布屋(ちぢみや)は、笠の裏を返して、読み直しながら、「お前は、そうして順礼姿、わしは、縮布屋の丈八と身なりまで変えて、こうして相手の一角を狙(つ)けているなんていう事は、旅先で、知ってる者はない筈だが? ……」ぽつと、雨が、顔に触った...
吉川英治 「無宿人国記」
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