...順境において成人する子孫に充分の活力を保たせてやらねばならぬのであって...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...順境に育った子孫にあやまりなく金を使わせることはまたいっそう難しいのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...寧ろ順境に育まれた麒麟兒英一君を更に崇高なる人格に築き上げる素地を造つたものと謂へよう...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...夫れ藩閥は三十年間我政界の主動力たり殆ど專制的性質を有せる一大勢力たり此勢力を利用するものは順境に立ち...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其手を下だすや常に順境に於てするを得意とせり若し山縣内閣にして自然に崩壞する日來れば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その順境に於て学問をして来たのである...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして女だけに彼の服裝から其順境らしいのを見てとつて心から愉快らしかつた...
長塚節 「開業醫」
...順境に立つて私が專門の學術を攻究することが出來たとしても到底私は間斷なく腦力を消耗して行かねばなりません...
長塚節 「教師」
...郷里(きやうり)から來(き)たものに聞(き)いて彼(かれ)は勘次(かんじ)が次第(しだい)に順境(じゆんきやう)に赴(おもむ)きつゝあることを知(し)つた...
長塚節 「土」
...順境にある者が細君の心事をここまでに解剖する必要がない...
夏目漱石 「野分」
...ただこの順境が一転して逆落(さかおと)しに運命の淵(ふち)へころがり込む時...
夏目漱石 「野分」
...順境(じゆんきやう)にゐて得意(とくい)な振舞(ふるまひ)をするものに逢(あ)ふと...
夏目漱石 「門」
...そのまま順境に發育して...
萩原朔太郎 「童話と教育について」
...彼は消化が財布と同じく順境にある男のごとく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...榛軒の生涯は順境を以て終始したので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この決断は順境にのみありて...
森鴎外 「舞姫」
...此決斷は順境にのみありて...
森鴎外 「舞姫」
...順境は滅多に訪れないが...
吉川英治 「折々の記」
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