...朝の美くしい巣鴨通りの雜沓の中で都會から田舍へ歸る肥車が三四臺續いて靜かに音も無く列り過ぎるのを同じ姿勢...
千家元麿 「自分は見た」
...雨は往來にさした燈の中に美くしい姿を見せて濛々とした薄闇の世界へ音も無く消えて行く...
千家元麿 「自分は見た」
...小供が默つて足音も無く通つた...
千家元麿 「自分は見た」
...使命所載)月の光天地も人も寐鎭る底無しの闇の中にどこからか音も無くボンヤリと月の光りが落ちて來た...
千家元麿 「自分は見た」
...足音も無く玄関から出て行きます...
太宰治 「おさん」
...ドアが音も無くあいて...
太宰治 「花燭」
...音も無く滑り流れている...
太宰治 「乞食学生」
...和服の青年と足音も無く一緒に歩いていた...
太宰治 「斜陽」
...音も無く花道より登場...
太宰治 「春の枯葉」
...音も無く降りましょうものなら...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、一寸ずつ、二寸ずつ、その都度、四辺の人の気配を窺いつつ、静かに、音も無く、滑り降りて行った...
直木三十五 「南国太平記」
...焔が音も無く燃えてゐた...
中島敦 「環礁」
...ただ一つ灯が音も無く燃えている...
中島敦 「牛人」
...幻のように音も無く...
中島敦 「光と風と夢」
...音も無く過ぎて行くのだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...真っ白く音も無く積もって行く...
中谷宇吉郎 「粉雪」
...音も無く、動きも無い、この夏の夜明けの一時は、すべての物が水底に沈んだように、薄水色の光を帯びている...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...静寂を破る音も無く...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
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