...蹴鞠(けまり)の免状までも取った多芸者であった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...鞠子さんは黒川夫人の胸に顔を埋める様にして...
江戸川乱歩 「悪霊」
...大なるは手鞠(てまり)の如く...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...なるほど北槻中尉が鞠躬如(きっきゅうじょ)としているのも無理はない慷堂だと思ったのだ...
高見順 「いやな感じ」
...子供部屋で妹の鞠子(まりこ)の着物に縫ひあげをしてもらつて...
徳田秋声 「チビの魂」
...脊から腰には二人の唐子が手鞠(てまり)をついて遊んで居た...
富田常雄 「刺青」
...通例だれもがする小高野から鞠場(まりば)へかけての胆吹の表参道であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...もっとも、あの下女のお友というのは出戻りだそうで、世帯の苦労も情事(いろごと)の苦労も劫(こう)が経て居ますから、妙なところへ眼が届きますよ」「――」「佐太郎が惚気交(のろけまじ)りに話したことや、内儀と米吉が、夜も昼も奥の部屋に籠(こも)って、綾取り双六(すごろく)、鞠(まり)つき、と他愛もないことばかりして遊んでいることも、あの女が見届けてくれましたが」「それから?」「それっ切りですよ、あ、そう/\、伊豆屋の虎松が、相変らず乞食からお釣銭(つり)の来そうな風体(ふうてい)で、朝から晩まで吾妻屋のあたりをウロ/\して居まさア、後家のお染さんはそれを嫌がるまいことか」「――」「虎松は身扮(みなり)こそ悪いが、若くて丈夫そうだから、うっかり追っ払うわけにも行きませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紙で包んだ鞠(まり)を...
長谷川時雨 「西川小りん」
...宅旁の寺の一尼抱き帰り自らこれを鞠(やしな)う...
南方熊楠 「十二支考」
...その意味でも私は何だか鞠躬如(きっきゅうじょ)とした気持になる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鞠(まり)ほどであった(嘉永七年甲寅地震海翻之記)...
武者金吉 「地震なまず」
...おなじように一つの白い鞠を星川余一(ほしかわよいち)の手にあずける...
吉川英治 「神州天馬侠」
...少年日吉は、荷を積んだ手車を押して、鞠唄の中を、うつつに通った...
吉川英治 「新書太閤記」
...鞠(まり)一年のうちに幾つという城国(じょうこく)がぞくぞく滅亡し去った...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼と鞠を競(きそ)おう」取次は走り去った...
吉川英治 「新書太閤記」
...御所のおん鞠場の景を...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一介の鞠使(まりつか)い高(こうきゅう)の出世したものである...
吉川英治 「新・水滸伝」
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