...自分と彼等との間が始めて本當に深くなり鞏くなることを知つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...土民生活に於ては一切の産業が土着するが故に農工業や交換業が或は分業的に或は交替的に行はれて鞏固な有機生活が実現される...
石川三四郎 「農本主義と土民思想」
...二十七日の第二囘總會には不取敢再昨の紙上に電報を以て報じたる如く民黨の重鎭大石正巳氏より噴火山的大質問あり舌端火を吐いて政府に肉薄するの活劇を演じ藏相陸相外相の三相亦熱心なる答辯を試みて正午一先づ休憩したる由に候が大石氏質問の要旨に曰く今囘の財政計畫は反て財政の基礎を不鞏固にする者なり...
石川啄木 「雲間寸觀」
...あれは鞏固で強烈な専制的な性格の持主だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...資本主義は農業においても鞏固化された...
戸坂潤 「科学論」
...頗る其の統一を鞏固にしたるものに似たり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...国家をして経済上生存の基礎を鞏からしめむことを欲すといふの事項稍々政綱らしきを見るのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其根拠の鞏固なる容易に抜く可からざるものあり司法省に於ける山県系統は亦頗る広く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...閣下の内閣極めて鞏固たるの証と信ぜば甚だ誤れり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...真に政党を基礎として内閣の鞏固を謀るの意には出ざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...なんだか地質時代の鞏竜やマンモスなど思い合わされてほおえましい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その実自分等よりはずっと鞏固(きょうこ)の基礎を有している事を述べた...
夏目漱石 「それから」
...他人が答弁さえ出来ぬほどの説を吐(は)くならばその本領はあまり鞏固(きょうこ)なものではない...
夏目漱石 「野分」
...余の考へにては能楽は宮内省の保護を仰ぐかもしくは華族の鞏固(きょうこ)なる団体を作つてこれを保護するか...
正岡子規 「病牀六尺」
...又は高い演劇を生み出すための鞏固な準備をととのえ得るか得ないかは...
三好十郎 「俳優への手紙」
...精神は依然として鞏固(きょうこ)ではないか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それが内に向って鞏固(きょうこ)であるほど...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...楼門の上から鞏志が弓に矢をつがえて...
吉川英治 「三国志」
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