...併し君の魂の奧には、何物も其進行を阻む事が出來ないやうな、鞏固な、獨特な、運命と悲劇とが發展してゐるやうだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...二十七日の第二囘總會には不取敢再昨の紙上に電報を以て報じたる如く民黨の重鎭大石正巳氏より噴火山的大質問あり舌端火を吐いて政府に肉薄するの活劇を演じ藏相陸相外相の三相亦熱心なる答辯を試みて正午一先づ休憩したる由に候が大石氏質問の要旨に曰く今囘の財政計畫は反て財政の基礎を不鞏固にする者なり...
石川啄木 「雲間寸觀」
...首相は日英同盟は益々鞏固なる上日佛日露の協約成りて日本の地位は鞏固になれる旨を演説せられたり...
石川啄木 「雲間寸觀」
...自分の立場の保鞏(ほきよう)につとめていたのであろう...
伊丹万作 「戦争責任者の問題」
...国体も仏教の擁護によりて鞏固(きょうこ)なりき...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...もはや独占の鞏固さに自信をもった以上...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...頗る其の統一を鞏固にしたるものに似たり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...且つ國家方に鞏固なる内閣を得て内外の政務を刷新せむことを望むに際して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...益々その根基を鞏固にするの傾嚮あり...
内藤湖南 「學變臆説」
...何故というにわたしは鞏固な意志があって殊更世間から掛離れようと思った訳でもない...
永井荷風 「花火」
...一見すこぶる鞏固(きょうこ)であるかに見える彼の意志も...
中島敦 「斗南先生」
...極めて鞏固(きょうこ)にして...
中島敦 「光と風と夢」
...法治国においてはかくのごとき方法によりて自己の意志の鞏固(きょうこ)なることを示すを必要とする場合ははなはだ少ない...
新渡戸稲造 「自警録」
...余の考へにては能楽は宮内省の保護を仰ぐかもしくは華族の鞏固(きょうこ)なる団体を作つてこれを保護するか...
正岡子規 「病牀六尺」
...又は高い演劇を生み出すための鞏固な準備をととのえ得るか得ないかは...
三好十郎 「俳優への手紙」
...どこに自然な安定な鞏固(きょうこ)な美があろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...楼門の上から鞏志が弓に矢をつがえて...
吉川英治 「三国志」
...鞏志は、首を奪って、城門をひらき、張飛を迎え入れて、元来、玄徳を景慕していた由を訴えた...
吉川英治 「三国志」
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