...運転手はその鞄を百円札五枚で支配人に譲り渡した...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...鞄のなかにギュウギュウ詰めこまれた...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...今に急勾配にさしかかりますから」二人は何気なく、鞄を下げて、後部のブリッジへ忍び出た...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...その鞄を持つて往(ゆ)く事を忘れない...
薄田泣菫 「茶話」
...悦子は早くも自分で鞄を開けて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...古ぼけたその鞄だって...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...菅原は手提鞄をかきまわして...
豊島与志雄 「自由人」
...紙幣束のはいってる鞄を抱えながら...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...そして鞄(かばん)の中に入れるシャツを下すったの...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...手荷物を悉皆(しっかい)革鞄(かばん)の中へ詰め込んでしまって...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...経済書の代りに鞄の中へ詰(つ)め込んだ...
夏目漱石 「明暗」
...茶色のジヤケツを着た少年が手提鞄(てさげかばん)を持つてはいつて来ました...
新美南吉 「疣」
...人生の妄想に充ちた鞄である...
萩原朔太郎 「大船驛で」
...列車の中に国立銀行員が鞄を持つてやつて来ます...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...もう一度しっかり鞄の中をしらべておくほうがいいよ...
久生十蘭 「ノア」
...僕の鞄はアブラハムのふところに預けたも同様なのだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...大きな旅鞄と、夜具蒲團と、机を荷車に積み、自分で後を押して、梅田の驛前の旅人宿に一時の寢所(ねどころ)を定めたが、宿の内部の騷々しさに加へて、往來を通る電車のきしり、汽車の發着毎にけたゝましく響きわたる笛の音(ね)、人聲と穿物(はきもの)の三和土(たゝき)にこすれる雜音などが、外部からひた押に押して來て、部屋の障子が震へる程で、机にむかつて本を讀んだり、かきものをしたりするおちつきを與へて呉れなかつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...鞄一つが身上(しんじょう)一つじゃ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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