...そして塩は結晶して地面の皮のやうになつて残る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...恐らく堅い甲冑を着けてゐない枝の先は表面の皮の底まで通る寒さのために枝ごと死んでしまふのだらうと思ひます...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...顔面の皮膚をひつ張る...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...亭主こそ好(い)い面の皮だ...
徳田秋聲 「絶望」
...さうして先生にお辞儀をして帰らうとしたら先生は「おまいはなかなか面の皮が厚いよ」といつて笑ひながら頭をひとつたたいた...
中勘助 「銀の匙」
...いい面の皮でもあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...脊中(せなか)一面の皮が毛穴ごとにむずむずして殆(ほとん)ど堪らなくなる...
夏目漱石 「それから」
...太陽が外面の皮殻(ひかく)を衝(つ)き破られたのだから...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...良い面の皮見たいなもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いゝ面の皮さ……馬鹿馬鹿しいね浮世は...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...それに知らずに乘つたボオイこそいい面の皮だ...
堀辰雄 「エトランジェ」
...面の皮千枚張りと言うが二千枚三千枚張りの供車にして同じ噺をしゃべり立てた...
正岡容 「寄席」
...面の皮を千枚張りにしてあやまるつもりで恐る恐る頭へ手をやって...
正岡容 「寄席」
...それにしては手討になる老臣粟田主膳といふ男こそいい面の皮なれ...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...ヘツヘヘヘ、そんな事で一々踊らされて、無けなしの金で罐詰めの道具買つたり、製板の株買つたり、ハムを作るのに資本をかけたりして益々借金ふやす百姓こそ、いい面の皮だ...
三好十郎 「地熱」
...いい面の皮だ」「あんなにお若くておきれいでいて...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...似せ天か本天かわからぬやつにまで引つたくられるのだからいゝ面の皮だ...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...そして「舊家」を誇るといふは少々面の皮が厚過ぎはしないだらうか...
若山牧水 「古い村」
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