...」……一言で面くらって...
泉鏡花 「薄紅梅」
...これには面くらうよ...
海野十三 「怪星ガン」
...もちろん面くらった...
海野十三 「火星兵団」
...まだまだ面くらうことがたくさんあるはずであった...
海野十三 「三十年後の世界」
...丁度その頃、国技館の事務所では、この興行を預かる、支配人のS氏が次々とかかって来る、不思議な電話に、面くらっていた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...これには面くらったように見えたが...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...この駅で下車して、つぎの上りが来るまでの間、三時間程ありますね、その間(あいだ)僕のお願いを聞いて下さることは出来ないでしょうか」私は河野の不意の申出に、面くらいもし、気味悪くも思いましたが、彼が余り熱心に頼むので、まさか危険なこともあるまいと考え、それに好奇心を押え兼ねた点もあって、兎も角彼の提案を容(い)れることにしました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...面くらつた私は、小言は芥川にいふべきであらうと思つてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...かれは、ときたま、からだをちぢめて、それら諸先輩に文学上の多くの不審を、子供のような曇りなき眼で、小説と記録とちがいますか? 小説と日記とちがいますか? 『創作』という言葉を、誰が、いつごろ用いたのでしょう、など傍(はた)の者の、はらはらするような、それでいて至極もっともの、昨夜、寝てから、暗闇の中、じっと息をころして考えに考え抜いた揚句(あげく)の果の質問らしく、誠実あふれ、いかにもして解き聞かせてもらいたげの態度なれば、先輩も面くらい、そこのところがわかればねえ、などと呟(つぶや)き、ひどく弱って、頭をかかえ、いよいよ腐って沈思黙考、地平は知らず、きょとんと部屋の窓の外、風に吹かれて頬かむり飛ばして女房に追わせる畑の中の百姓夫婦を眺めて居る...
太宰治 「喝采」
...この突然の申込みにはじめは少からず面くらったものの...
太宰治 「新釈諸国噺」
...もう面くらっちまいましてね...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...クリストフは面くらって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それでも自分の居た場所の兩隣と正面くらゐは知つて居るので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その「可愛らしい方ね」にはちよつと面くらつた...
堀辰雄 「エトランジェ」
...たかが結婚にこんなに大騒ぎとは面くらう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...部屋は全面くすんだオーク材...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...いきなり朝鮮人の宿舎の窓があって(鶏舎をかりている)裸の男や何かいて面くらいました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...当人面くらった風で内心得意...
山本笑月 「明治世相百話」
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