...煙が御縁の方へ靡くのを氣にしながら...
芥川龍之介 「地獄變」
...すら/\と向ふへ靡くのに乘つて...
泉鏡花 「遺稿」
...風に對する黒髮か流に靡く玉藻のそれ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...木は蘆(あし)が風に靡くやうに雉(な)ぎ倒され...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...野もせに靡くさびれの身に沁み入りては心弱(こころよわ)に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...垣を掠(かす)めて靡く霧は不斷の烟...
高山樗牛 「瀧口入道」
......
種田山頭火 「其中日記」
...焔が靡く度にそれがゆらゆらと揺れて何となく凄い...
寺田寅彦 「嵐」
...稔った穂が風に靡く姿を見た人は...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...暗き方へと靡くとき...
夏目漱石 「鬼哭寺の一夜」
...それを旗さしものの風に靡く軍陣によそへて画面に印した迄である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...比が根山秋風吹けど富士晴れず拠なく靡く草かな十国峠を通るに相当強い秋風が海の方から吹いて来る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...浅間の煙が颯爽として秋風に靡く壮大な光景を抒し...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...靡く夢の覚めむ日待ちて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...風に靡く※の旗の列なった風景は戦国の昔...
横光利一 「欧洲紀行」
...煙草の煙が近く三人の前に靡くのは長閑であつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...圧せられて何者かの歩みゆく跡のやうに靡く...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...竹の林の靡く影が長く地に敷いて...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
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