...煙が御縁の方へ靡くのを気にしながら...
芥川龍之介 「地獄変」
...夜風に靡く灯の光で...
芥川龍之介 「地獄變」
...煽られたやうにさつと靡くと...
芥川龍之介 「地獄變」
...空澄める日には富士の烟の靡くさへ見える...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...寂寞(じやくまく)大海(だいかい)の禮拜(らいはい)して、天津日(あまつひ)に捧ぐる香(かう)は、淨まはる潮(うしほ)のにほひ、轟く波凝(なごり)、動(ゆる)がぬ岩根(いはね)、靡く藻よ、黒金(くろがね)の船の舳先(へさき)よ、岬(みさき)代赭色(たいしやいろ)に、獅子の蹈留(ふみとゞま)れる如く、足を延べたるこゝ、入海(いりうみ)のひたおもて、うちひさす都のまちは、煩悶(わづらひ)の壁(かべ)に惱(なや)めど、鏡なす白川(しらかは)は蜘手(くもて)に流れ、風のみひとり、たまさぐる、洞穴口(ほらあなぐち)の花の錦や...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...嫋やかな、丈長草のやうにいつも地の夢のままになつて、すなほに靡く...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「椰子の樹」
...野もせに靡くさびれの身に沁み入りては心弱(こころよわ)に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
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種田山頭火 「其中日記」
...霞の被衣(ひい)のやうにほのかに靡く春に――...
田山録弥 「不思議な鳥」
...ウブ毛の風に靡くのが感じられるやうなふうであつたことを記憶してゐる...
中原中也 「亡弟」
...稔った穂が風に靡く姿を見た人は...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
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野口雨情 「おさんだいしよさま」
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野口雨情 「極楽とんぼ」
...愚考する事並に黒髯風に靡く事こんな工合に盛んに好評を博している当の古市加十は...
久生十蘭 「魔都」
...湖の奥に虹立ちその末に遠山靡く朝朗かな大正十五年五月日光に遊ばれた時の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...高さ三十尺もある孟宗竹の藪が一時に靡く...
宮本百合子 「雨と子供」
...靡く夢の覚めむ日待ちて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...圧せられて何者かの歩みゆく跡のやうに靡く...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
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