...煙が御縁の方へ靡くのを気にしながら...
芥川龍之介 「地獄変」
...煽られたやうにさつと靡くと...
芥川龍之介 「地獄変」
...風に對する黒髮か流に靡く玉藻のそれ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...眞間の江や先づ引く汐に背き得ず靡く玉藻はすべなし吾君(わぎみ)いたづらに言(こと)うるはしみ何せんと君が思はむ思ひ若しも手古奈は詞には判然と言うて居れど...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...垣を掠(かす)めて靡く霧は不斷の烟...
高山樗牛 「瀧口入道」
......
種田山頭火 「其中日記」
...盾をかつぎて進む前、靡くや否や、敵陣の 805四方にわたり試みて勇將徒歩に馳け進む、されどアカイア軍勢の心ひるますことを得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ウブ毛の風に靡くのが感じられるやうなふうであつたことを記憶してゐる...
中原中也 「亡弟」
...稲の穂の千田(ちた)階(きざ)をなし靡く時唯ならぬかな姥捨の秋山の上まで段々に田が重つてゐてそこへ秋風が吹いて来て稲の穂が縦にさへ一せいに靡く不思議な光景を唯ならぬの一句に抒した測り知れないその老獪さは如何だ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この時の歌にはまた 渓間なる人山女魚(やまめ)汲み行く方に天目山の靡く道かな などいふのもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...湖の奥に虹立ちその末に遠山靡く朝朗かな大正十五年五月日光に遊ばれた時の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...高さ三十尺もある孟宗竹の藪が一時に靡く...
宮本百合子 「雨と子供」
...辱知 江東生夕の光堤にもえし陽炎(かげろふ)は草の奈邊(いづこ)に匿(かく)れけむ緑は空の名と爲りて雲こそ西に日を藏(つゝ)めさゝべり淡き富士が根は百里(ひやくり)の風に隔てられ麓に靡く秋篠の中に暮れ行く葦穗山雨雲覆ふ塔(あらゝぎ)に懸れる虹の橋ならで七篠(なゝすぢ)の光...
横瀬夜雨 「花守」
...風に靡く※の旗の列なった風景は戦国の昔...
横光利一 「欧洲紀行」
...観衆は襟を正し吹き靡く焔を見ている内に...
横光利一 「欧洲紀行」
...白藤の風に靡くのが一本...
横光利一 「旅愁」
...煙草の煙が近く三人の前に靡くのは長閑であつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...圧せられて何者かの歩みゆく跡のやうに靡く...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
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